2028年ロサンゼルスオリンピック完全ガイド 開催日程・競技・会場情報を徹底解説
更新日:2025/02/25

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世界中のスポーツファンが注目する4年に一度の祭典、オリンピック。2028年、ついにロサンゼルスが3度目のオリンピック開催都市として再び舞台に立ちます。体操や競泳などの伝統競技からフラッグフットボールといった新種目や、今大会で復活する競技まで新旧の競技が揃う注目の大会です。日本からのアクセス方法やロサンゼルスの会場情報なども押さえて、オリンピックを現地で応援する準備を整えましょう。
2028年“ロサンゼルスオリンピック(LA28)”開催
2028年、ロサンゼルスは史上3度目のオリンピック開催都市となります。開催期間は7月14日から30日までを予定。1932年、1984年に続く開催となり、ロサンゼルスを象徴する“太陽の光”を活用した持続可能性と多様性をテーマに掲げています。
ロサンゼルスの既存の施設を活用することで環境負荷を抑えた運営を目指し、スタジアムの再利用や仮設施設が重視されています。また、インフラ面ではロサンゼルスの住民、労働者、企業などが地域全体でスムーズに移動できるよう、競技場を中心とした公共交通の強化を進める予定です。
LA28オリンピック・パラリンピックの大会日程
2028年ロサンゼルスオリンピックは、7月14日の開会式から7月30日までの17日間にわたり開催されます。その後、8月15日から8月27日までロサンゼルス初となるパラリンピックが行われます。SoFiスタジアムをはじめとする既存の施設を活用しつつ、柔軟に施設の役割を変更することで、オリンピック終了後もスムーズにパラリンピックに移行できるよう設計されているのが特徴です。
ロサンゼルスで行われた過去のオリンピック

1932年ロサンゼルスオリンピック

この大会では初のオリンピック村が建設されましたが、宿泊できたのは男性選手のみ。女性選手は市内の高級ホテルのチャップマンパークに滞在させたため、待遇の違いが話題になりました。また、この大会では「表彰台での表彰」や「写真判定」も初めて導入されています。
1984年ロサンゼルスオリンピック

この大会では東欧諸国の不参加により、男子射撃の蒲池猛夫(日本)や体操女子個人総合のメアリー・ルー・レットン(アメリカ)が初めて金メダルを獲得したことでも知られています。また、「女子には過酷すぎる」との理由で長らく開催されていなかった女子マラソンも初の公式種目となり話題を呼びました。1984年大会は、スポンサー収益と既存施設の活用によって運営費を抑え、オリンピック史上初めて黒字を達成したことでも有名です。
ロサンゼルスオリンピック(LA28)で実施予定の競技
2028年に開催されるロサンゼルスオリンピックとパラリンピックでは、伝統的な種目に新たな競技が加わったプログラムが予定されています。メイン競技は陸上、水泳、体操など馴染みのあるオリンピック種目ですが、近年人気が高まっているスケートボードやクライミングなど、若者を中心に支持されるアーバンスポーツも実施予定です。
また、LA28で初めて正式種目として採用されるフラッグフットボールや新たに復活するラクロス(Sixes:6人制ラクロス)など、アメリカ文化を象徴する競技の導入によりオリンピックへの関心がさらに高まっています。パラリンピックでは、パラ陸上やパラ水泳、車椅子バスケットボールなどに加え、新たな種目の追加も計画されています。
LA28オリンピックで初めて実施される種目
ロサンゼルスオリンピック(LA28)では、フラッグフットボールやスカッシュが初めて正式種目として実施される予定です。アメリカ発祥のスポーツのため、特に現地で人気が高い競技として注目されています。
フラッグフットボール
フラッグフットボールは、アメリカンフットボールから派生して生まれたスポーツです。楕円形のボールを持ち、選手同士の接触を避けながらスピードとテクニックを競い合います。フットボールのような“タックル”ではなく両腰に付けた“フラッグ”を引き抜くことで勝敗が決まるため、安全性が高い競技として小中学生が行うスポーツとしても人気です。アメフト文化が根強いロサンゼルスで開催されることから、地元ファンだけでなく新たな観客層も期待されています。
スカッシュ
スカッシュは、イギリス発祥のインドアラケットスポーツです。壁に囲まれたコートの中で選手は小さなゴムボールをラケットで打ち、壁に跳ね返ったボールを互いに追いかける形で試合を展開します。このスポーツでは瞬発力や判断力はもちろん、常にボールを追いかけられるスピードと俊敏な動きが求められるのが特徴です。アメリカのジムなどでも根強い人気を誇るスカッシュは競技人口も多く、2028年オリンピックで注目されているスポーツのひとつとなっています。
LA28オリンピックで復活する種目
ロサンゼルスオリンピック(LA28)では、野球やソフトボール、クリケット、ラクロスなどアメリカの人気競技が復活します。これらのスポーツはアジアやヨーロッパなどでも人気が高く、オリンピックの舞台で再び熱戦が繰り広げられるとして多くの期待が寄せられています。
野球・ソフトボール
アメリカをはじめ日本や韓国などでも人気の野球は、2021年に開催された東京オリンピック(2020年東京オリンピック)以来の復活が決定しました。この決定は、2023年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の盛り上がりが背景にあると言われており、世界中のファンから熱い視線が注がれています。ソフトボールも世界中で競技人口が増加している人気競技のため、野球とソフトボールの復活でより熱い闘いが期待できるでしょう。
クリケット
クリケットは、イギリスやインド、オーストラリアをはじめとする旧英連邦諸国で特に人気を誇るスポーツです。競技人口は約3億人。オリンピック競技としては1900年の第2回近代五輪以来の復活となり、世界中から多くの期待が寄せられています。クリケットは11人対11人で行われるバットとボールを使った球技で、野球との類似点も多いスポーツです。ただし、野球のようなファウルはなく、投球時に肘を曲げてはいけないなどのルールが存在します。
ラクロス(Sixes:6人制ラクロス)
2021年に誕生した6人制のラクロスです。1チーム6人で構成されるため、少人数でも試合が成立しやすく、30秒以内にシュートを打たなければならないため、スピーディーに試合が展開されるのが特徴的。従来の10人制に比べてフィールドが狭いため、個々のスキルや少人数ならではの戦術がより重要になり、技術を活かしたプレーが求められます。また、攻守の切り替えが激しくゴールシーンも多いため、よりエキサイティングな試合をが観戦できるでしょう。
LA28オリンピックから排除される種目
LA28では競技プログラムの再編成に伴い、一部種目の排除が決定しています。その中には、パリ五輪で話題を集めたブレイキンや長い歴史を持つ近代5種(馬術)が含まれ、選手やファンからは賛否の声が上がっています。この決定は、オリンピック全体の競技構成や新たな競技の追加に対する措置であるため、将来復活する可能性もあります。
ブレイキン(ブレイクダンス)
ブレイキン(ブレイクダンス)は、ヒップホップ文化に根ざしたダンスパフォーマンスです。パリオリンピックで初めて正式競技として採用され、若者を中心に話題となりました。しかし、LA28では新競技の追加に伴い構成上のバランスを取るため、排除される方針となりました。競技人口の多さや観客動員力を考慮し、将来の復帰も議論されています。
馬術(近代5種)
近代5種は、フェンシング、水泳、馬術、射撃、ランニングレーザーラン(射撃とランニングを交互に行う競技)を組み合わせた競技です。LA28では、近代5種の一部である馬術がロサンゼルスオリンピックでは除外される予定です。長い歴史を持つ競技ですが馬術は動物保護の観点から批判を受けていたこともあり、種目の置き換えが検討されています。
オリンピック競技一覧
3×3バスケットボール | アーチェリー | 体操 (器械体操) |
アーティスティックスイミング | 陸上競技 | バドミントン | 野球 | バスケットボール |
ビーチバレーボール | トライアスロン | BMXフリースタイル | BMXレーシング | バレーボール | カヌースラローム | カヌースプリント | コースタルローイング |
クリケット | 自転車競技 (ロードレース) |
自転車競技 (トラックレース) |
飛込競技 | 馬術 | フェンシング | フラッグフットボール | サッカー |
水球 | ゴルフ | ハンドボール | ホッケー | 柔道 | ラクロスシックス | マラソンスイミング | 近代五種 |
マウンテンバイク | 新体操 | ボート競技 | ラグビーセブンズ | セーリング | 射撃 | スケートボード | レスリング |
ウエイトリフティング | ソフトボール | スポーツクライミング | スカッシュ | サーフィン | 競泳 | 卓球 | テコンドー |
テニス | トランポリン体操 |
パラリンピック競技一覧
ブラインドサッカー | パラアーチェリー | パラ陸上競技 | パラバドミントン | パラカヌー | パラクライミング | パラ自転車競技 (ロードレース) |
パラ自転車競技 (トラックレース) |
パラ馬術 | パラ柔道 | パワーリフティング | パラローイング | パラスイミング | パラ卓球 | パラテコンドー | パラトライアスロン |
車いすテニス | ボッチャ | ゴールボール | 射撃パラスポーツ | シッティングバレーボール | 車いすバスケットボール | 車いすフェンシング | 車いすラグビー |
2028年ロサンゼルスオリンピック(LA28)の会場

また、伝統ある“ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム(Los Angeles Memorial Coliseum)”は3度目のオリンピックにおいてもトラック競技が行われ、“ローズボール(Rose Bowl)”ではサッカーが行われるなど、多くの既存施設が各競技に特化した会場としての役割を担います。
こうした分散型の会場配置と既存施設の活用により、LA28は効率的で持続可能な大会運営を目指しています。開催都市に与える環境負荷を軽減しながら都市の既存インフラを最大限に活用できれば、オリンピックの新たなモデルケースとなり得るでしょう。
開催場所 | 特徴 | 競技 |
---|---|---|
The 1932 Pool in Exposition Park | 1932年開催のオリンピック用に建設 | 飛込競技 |
ARENA DOWNTOWN LOS ANGELES | スパークス、キングスの本拠地 | 器械体操、新体操、トランポリン体操 |
ARENA INGLEWOOD | NBAのクリッパーズ本拠地 | バスケットボール |
ARENA LONG BEACH | ロングビーチのダウンタウンにある多目的施設 | ハンドボール |
BELMONT SHORE LONG BEACH | 太平洋沿いに位置 | セーリング |
LA CONVENTION CENTER | 全米で最大の多目的施設 | フェンシング、柔道、テコンドー、レスリング、卓球 |
LONG BEACH CONVENTION CENTER | ロングビーチにある小コンベンションセンター | アーティスティックスイミング、水球 |
EQUESTRIAN CENTER | 242エーカーの広大な敷地に多数の設備を備えた多目的施設 | 馬術 |
FIELDS | MLSのLAギャラクシーのトレーニンググランド | ホッケー |
LA MEMORIAL COLISEUM | 第1回スーパーボウルの開催場所で、1932年と1984年のオリンピックでも使用された | 陸上競技 |
MARINE STADIUM | 1932年のオリンピックのボート競技のために建設された、米国初の人工的なボート競技場 | カヌースプリント、ボート漕ぎ |
RIVIERA COUNTRY CLUB | 1983年と1995年に全米プロゴルフ選手権が開催された私営のゴルフコース | ゴルフ |
SEPULVEDA BASIN RECREATION AREA | ロサンゼルスで2番目に大きな都市公園 | アーチェリー、BMXフリースタイル、BMXレース、スケートボード |
SOFTBALL PARK OKLAHOMA CITY | オクラホマシティにある全米でも有数のソフトボール専用の球技場 | ソフトボール |
STADIUM CARSON, CA | アメリカで2番目に大きいサッカー専用スタジアムで、ロサンゼルス・ギャラクシーのホームスタジアム | ラグビーセブンズ |
STADIUM INGLEWOOD, CA | 世界で最も近代的なスポーツおよびエンターテイメント会場のひとつ | 水泳 |
TENNIS CENTER | 全米テニス協会(USTA)の高性能トレーニング・センターの本拠地であり、さまざまな女子プロテニス選手権やトーナメントが開催されている | テニス |
THEATER DOWNTOWN LOS ANGELES | LAライブ内にある劇場で、あらゆる種類のイベントが開催されている | ウエイトリフティング |
USC SPORTS CENTER | USCスポーツセンターは、南カリフォルニア大学が所有・運営する多目的屋内アリーナとアスレチック施設 | バドミントン |
VELODROME | 世界のエリートサイクリストのトレーニングや国際大会が開催されているアメリカ最大の屋内ベロドローム | 自転車競技 (トラックレース) |
WATERFRONT | 太平洋沿いの緑地、レクリエーション用芝生、ウォーターフロント公園が集まった活気あふれる場所 | マラソン水泳、トライアスロン |
WHITEWATER CENTER | 米国オリンピック・パラリンピック公式トレーニング・サイトであり、2024年パリ五輪の米国チーム・トライアルを含む数多くの国内外イベントを主催 | カヌースラローム |
日本からロサンゼルスへのアクセス方法

ロサンゼルス市内の移動手段(2025年現在)

地下鉄やバスなどの公共交通機関も利用できますが、時間帯によっては不便な場合もあります。主要観光地や中心街の一部では電動スクーターや自転車シェアサービスも提供され、短距離の移動手段として人気です。さまざまな移動手段があるため、料金や状況などに応じて選びましょう。
アメリカ渡航・入国にはESTA(エスタ)が必要です
日本国籍者がビザを取得せずにハワイを含むアメリカへ渡航する際は、ESTA(エスタ)の申請が必要です。ESTA(エスタ)はVWP(ビザ免除プログラム)参加国の市民のみ利用できる制度で、観光または出張目的で90日以内の米国滞在を希望する方が対象となります。また、ESTA(エスタ)は年齢を問わず必要となるため、家族やグループで渡航する際は事前に全員分の申請を済ませましょう。ESTA(エスタ)を統括するDHS(アメリカ国土安全保障省)は、少なくとも出発72時間前までに申請手続きを済ませて「渡航認証許可」を取得するよう推奨しています。