【アメリカ渡航の最新情報はこちら】
イスラム組織ハマスは6日、パレスチナ自治区ガザの停戦交渉で仲介役のカタールとエジプトが提示した停戦案に合意したと表明。しかし、イスラエル側の戦時内閣は「必要とする要求には程遠い」と述べ、全会一致で合意を拒否し停戦の実現はさらに困難となりました。イスラエル軍はハマスに軍事的な圧力をかけるため「ラファでの戦闘を継続する」と発表。ガザ南部ラファ地区に所在するハマスの拠点を標的に、6日も空爆を行いました。
イスラエル戦時内閣のガンツ前国防相は、「ハマス側の提案はこれまで仲介役と進めてきた内容に対応していない」とコメント。双方の要求に大きな隔たりがあるため、今後もエジプトの首都カイロで交渉担当者らと協議を行う方針を示しました。カタールとエジプトは昨年10月7日に発生した戦争を終結させるため、仲介役としてカイロで停戦協議を進めています。
一方のハマス側は空爆の数時間前にテレグラムによる声明で、「我々の最高指導者ハニヤ氏は停戦に同意した」と投稿。イスラエル側はこの投稿に関する真相に懸念を示し、アメリカ政府と連携しハマスの返答と要求について精査を進める方針です。
また、バイデン大統領はラファへの侵攻を「レッドライン」と呼び、各国首脳らとイスラエルに対し多くの民間人が避難するラファを侵攻しないよう繰り返し警告してきました。今月1日にイスラエルを訪問したブリンケン国務長官は、「民間人を保護するための具体的な計画がみられない」と指摘。バイデン氏とイスラエルのネタニヤフ首相は6日に電話会談を開催し、「アメリカ政府は民間人に大きなリスクと危険をもたらすラファ侵攻を支持しない」と懸念を伝えました。これに関連しNSC(米国家安全保障会議)のカービー戦略広報調整官も6日の声明で、「100万を超える罪のないパレスチナの人々を危険にさらす軍事計画を見直すべき」と発表。停戦合意に応じるようイスラエル側へ提言し、アメリカ政府の立場を明確に伝えたと強調しました。
停戦案は3段階で構成され、以下の内容で交渉が進められています。
第2段階:大半のイスラエル軍はガザ地区から撤退し、双方首脳は「恒久的な平穏の策定」について協議を行う。
第3段階:イスラエル軍はガザの封鎖と戦闘を終了し、国連による監視のもと復興を開始する。