ビザ免除プログラム(VWP)とは
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ビザ免除プログラム(VWP:Visa Waiver program)とは
ビザ免除プログラム (VWP:Visa Waiver program)とは、アメリカ政府が定めた国・地域の市民に限りビザを取得せず渡米が認められる制度です。渡航目的は90日以内の観光または商用に限られ、VWPを利用して渡米する際は電子渡航認証システムESTA(エスタ)を申請し「渡航認証許可」の取得が求められます。ただし、就労や留学を目的として渡米する方はVWPの利用条件に該当しないためビザの取得が必須です。ビザの取得には多くの書類提出や領事官との面接などが求められ、申請から取得までに1か月以上かかるため早めの手続きをお勧めします。
現時点におけるビザ免除プログラム(VWP)の該当国と適用開始年月日は以下の通りです。
ビザ免除プログラム(VWP)対象国と開始年月日
- 1988年7月1日 イギリス
- 1988年12月15日 日本
- 1989年7月1日 フランス
- 1989年7月1日 スイス
- 1989年7月15日 ドイツ
- 1989年7月15日 スウェーデン
- 1989年7月29日 イタリア
- 1989年7月29日 オランダ
- 1991年10月1日 アイスランド
- 1991年10月1日 アンドラ
- 1991年10月1日 オーストリア
- 1991年10月1日 ベルギー
- 1991年10月1日 デンマーク
- 1991年10月1日 フィンランド
- 1991年10月1日 リヒテンシュタイン
- 1991年10月1日 ルクセンブルク
- 1991年10月1日 モナコ
- 1991年10月1日 ノルウェー
- 1991年10月1日 サンマリノ
- 1991年10月1日 スペイン
- 1991年10月1日 ニュージーランド
- 1993年7月29日 ブルネイ
- 1995年4月1日 アイルランド
- 1996年7月29日 オーストラリア
- 1997年9月30日 スロベニア
- 1999年8月9日 シンガポール
- 1999年8月9日 ポルトガル
- 2008年11月17日 韓国
- 2008年11月17日 チェコ
- 2008年11月17日 エストニア
- 2008年11月17日 ハンガリー
- 2008年11月17日 ラトビア
- 2008年11月17日 リトアニア
- 2008年11月17日 スロバキア
- 2008年12月30日 マルタ
- 2010年4月5日 ギリシャ
- 2012年11月1日 台湾
- 2014年3月31日 チリ
- 2019年11月11日 ポーランド
- 2021年12月1日 クロアチア
- 2023年11月7日 イスラエル
※イギリス国民のビザ免除プログラム(Visa Waiver program)取得はイングランドのほか、ウェールズ・スコットランド・北アイルランド・チャネル島・マン島の永住権保有者に限ります。
※ビザ免除プログラムへの参加基準は移民国籍法(Title 8 U.S.C. §1187)で定められ、非入国移住者ビザの非常に低い拒絶率とパスポートの安全性に基づきます。
ビザ免除プログラム(VWP)の利用条件
ビザ免除プログラム(VWP)を利用してアメリカへ入国する際は、以下の条件を満たす必要があります。
- ESTA(エスタ)を申請し「渡航認証許可」を取得している。
- ビザ免除プログラム(VWP)参加国の市民であり、期限が有効なICチップ搭載のパスポートを所持している。
- 米国内での滞在期間が90日以内である。
- 渡航目的が短期の観光や商用、または乗り継ぎ(トランジット)に該当する。
- 海路および空路で入国する際は、次の目的地または往復の乗船券・旅行券を所持している。
※eチケットを利用の際は、旅行日程が記載された書面の提示が求められます。
ETSA(エスタ)に関する詳細はこちらよりご確認ください。
ビザ免除プログラム(VWP)を利用できない方
下記のいずれかに該当する方は、原則としてビザ免除プログラム(VWP)の利用が認められないため注意が必要です。
- 就労や留学目的で渡米を希望する方
- 理由を問わず、アメリカ国内で90日以上の滞在を希望する方
- 起訴を含む逮捕歴または重大な犯罪歴がある方
- 過去にアメリカ入国を拒否された方
- 過去にオーバーステイ(不法滞在)の履歴があり、強制送還された方
- 特定の伝染病を患っている方
上記に該当する方はESTA(エスタ)申請の対象外となるため、在日米国大使館・総領事館にて目的にあわせたビザの取得をご検討ください。
また、カナダ・メキシコ・英領バミューダ諸島は、アメリカのVWPに参加していません。ただし、米国移民国籍法ではカナダおよびバミューダ諸島の市民がビザを取得せずに渡航する場合は特定の条項を定めています。詳細はアメリカ国務省の「Citizens of Canada and Bermuda:Visa Requirements – Citizens and Permanent Residents of Canada(カナダおよびバミューダ市民と永住者の方へ:ビザに関する要件)」をご確認ください。
ビザ免除プログラム(VWP)に有効なパスポートの条件
ビザ免除プログラム(VWP)を利用してアメリカへ入国する際に、有効となるパスポートの条件は以下の通りです。
- パスポートにICチップが搭載されている。
- 期限が有効なパスポートにてESTA(エスタ)申請を済ませ、「渡航認証許可」を取得している。
- パスポートの残存期間が90日以下の場合は、有効期限日までにアメリカから退去する意志を証明できる。
アメリカへ渡航する際は原則として、滞在期間に加えて6か月以上のパスポート残存有効期間が求められます。ただし、ビザ免除プログラム(VWP)参加国の市民は“Six-Month Club”制度の対象となるため、パスポートの残存有効期限が6か月以内の場合も渡米が認められます。Six-Month Clubに関する詳細と対象国は、「Six Month Clubの要件について」をご確認ください。
陸路でのアメリカ入国
これまで陸路でアメリカへ入国する際はESTA(エスタ)の申請は不要でしたが、2022年10月1日より条件が改定されました。同日より日本を含むVWP(Visa Waiver program)参加国の市民は、陸路で入国する際もESTA(エスタ)の取得が必須となりましたので必ず渡航前に申請を済ませましょう。また、カナダやメキシコから陸路で入国する際に提出を義務付けていたI-94W用紙は撤廃され、現在は専用ウェブサイトからの事前申請を推奨しています。
ビザ免除プログラム(VWP)テロリスト渡航防止法
ビザ免除プログラム(VWP)テロリスト渡航防止法では、2011年3月1日以降にソマリアまたはイエメン、シリア、リビア、イラク、イラン、スーダン、北朝鮮、キューバに渡航または入国した方は、ビザ免除プログラム(VWP)を利用しての渡米が認められません。VWP対象国の市民で、シリア、イラク、イラン、スーダン、北朝鮮の国籍を有する二重国籍者の方も同様です。
また、以下の条件に該当する渡航者は免除となる場合があります。
- イエメン、リビア、ソマリア、スーダン、イラク、イラン、シリア、北朝鮮、キューバに、政府・地域・国際機関の公務、Non Governmental Organization(非政府組織)や人道支援、報道を目的とするジャーナリストとして入国した場合
- 2015年7月14日以降に商用目的でイランに入国した場合
- 商用目的でイラクに入国した場合
更新日 : 2024/09/20