アメリカ政府が北朝鮮の軍事衛星打ち上げを激しく非難 安保理決議に違反

アメリカ政府が北朝鮮の軍事衛星打ち上げを激しく非難 安保理決議に違反

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アメリカ国務省は27日、北朝鮮による軍事衛星の打ち上げについて言及。「核弾道ミサイルの開発と直結しており、国連安全保障理事会が定めた複数の決議に違反する」と激しく非難しました。さらに、「北朝鮮の挑発行為は孤立を深め、朝鮮半島の安定と繁栄を損なうだけだ。アメリカは今後も各国と連携し、発射計画の中止を強く要請する」とコメント。国際社会への歩み寄りと対話の必要性を訴えました。
北朝鮮は日本時間の午後10時43分に弾道ミサイルと見られる飛翔体を発射しましたが、打ち上げは失敗に終わったと発表。韓国軍は発射から2分後、黄海上で多数の破片を探知し慎重に回収作業を行いました。今回の行為について海上保安を管轄する米国インド太平洋軍は、「アメリカや同盟国に差し迫った脅威をもたらすものではない」と説明。北朝鮮は27日から6月4日までに、人工衛星を打ち上げると日本の海上保安庁に通告。飛翔体が海上に落下する恐れがあるため、沖縄県に近い2か所とフィリピン・ルソン島東方海域の警戒を強化していました。米国インド太平洋軍は、引き続き韓国軍および同盟国と協力し情勢を注視する方針です。
バイデン政権は2021年1月の発足以降、北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐり対話による解決を呼びかけていますが現在も平行線をたどっています。「アメリカ側の交渉に応じない」と宣言する北朝鮮は、飛翔体の射程距離を延ばし様々な軍事衛星を開発。多様化するミサイル技術の背景にはロシア側の協力があるとみられ、有識者からは「北朝鮮を事実上の核保有国とみなし外交を練り直すべき」との意見が挙がっています。一方で北朝鮮を核保有国と見なした場合、ミサイル開発がさらに進み周辺国やアメリカへの抵抗が強まると議員らは反発。根本的な外交に懸念を示し、北朝鮮の核をめぐる議論は上下両院で激化する見込みです。
また、日本の林官房長官は27日深夜から28日未明にかけて会見を開催し、「飛翔体による日本への被害はない」と報告。発射からおよそ8分後に日本の海域に到達すると予測していましたが、2分後にレーダーから消えたと説明しました。日本政府は北京の大使館ルートを通じて厳重な抗議を行いましたが、北朝鮮による公式なコメントはありません。木原防衛相は「北朝鮮は今回の失敗を受けて通告期間内にさらなる挑発行為に出る恐れがあり、再びミサイルを発射する公算が高い」と指摘。飛翔体の発射を即時に知らせるJアラートを活用して、引き続き警戒を呼びかけています。

参考元:REUTERSNBC NEWSThe Guardian