「アメリカにとって最大の脅威は中国」 バンス副大統領候補が制裁課税を示唆

「アメリカにとって最大の脅威は中国」 バンス副大統領候補が制裁課税を示唆

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共和党の副大統領候補に指名されたオハイオ州のJ.Dバンス上院議員は、15日に開催された党の全国大会で今後の政策について言及。最大の脅威は中国であると述べ、当選した際はトランプ氏と共闘し厳しい制裁措置を行う姿勢を示しました。また、ロシアとウクライナで続く戦争について問われたバンス氏は「両国と交渉し速やかな解決を目指す」とコメント。トランプ氏の外交手腕を高く評価し、戦争終結への自信をにじませました。バンス氏は現在の米中関係について、「大きな課題があるにも関わらず目を背けている」とバイデン政権を批判。トランプ氏が大統領に就任した際は対中関税を全面的に引き上げるとし、中国からの輸入品に60%の課税を行うと宣言しました。
一方で優先課題はウクライナやイスラエルにおける紛争の解決と述べ、全国民の安全を第一に考えるべきと説明。最大の課題である米中関係に注力し、様々な問題に取り組む姿勢を強調しました。こうした発言を受けて、中国外務省は16日に声明を発表。「選挙戦で我が国の批判をすべきではない」と述べバンス氏への不快感をあらわにしました。

自伝で一躍有名に オハイオ州の貧困家庭で育ったバンス氏とは

現在39歳のバンス氏はオハイオ州ミドルタウンに生まれ、“ジェイムズ・デイヴィッド・ボウマン”と名付けられました。同氏は2016年に出版した自伝「ヒルビリー・エレジー」で注目を集め、両親に代わり育ててくれた祖父母を好意的に描いています。貧しい生い立ちを赤裸々に著し、白人労働者階級が直面する現状について議論を巻き起こしました。同氏はこれまでトランプ氏の政策について「白人労働者階級を冷遇している」と批判してきましたが、両氏の歩み寄りにより和解が成立。2022年の州内上院選でトランプ氏の支持を得て共和党候補となり、激戦を制して上院議員となりました。
バンス氏は米中の貿易摩擦やメキシコとの国境警備強化などトランプ氏と一致した政策を主張し、ウクライナ支援の増強にも反対を示しています。こうした主張は、党内のジョンソン下院議長やマコネル上院院内総務など複数の重鎮と必ず対立すると専門家は指摘。副大統領に就任した際は若さと行動力を活かしトランプ氏の強力なサポート役となる見通しですが、閣僚人事は難航が予想されます。

参考元:BloombergBBC NEWS