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アメリカのIT大手マイクロソフトは19日、自社のオンラインサービス全体に問題が生じたと各国のメディアに向けて発表。欧米やアジアを中心に大規模なシステム障害が発生し、各地で多くの混乱を引き起こしました。影響を受けた端末は推定850万台に上り、アメリカやヨーロッパの空港ではチェックインシステムが作動せず航空会社は現在も欠航や遅延による振替手続きに追われています。
マイクロソフトとクラウドストライクは修正プログラムを供給しシステムは復旧に向かっていますが、金融や医療関係では障害によって様々な問題が生じ訴訟問題も視野に入れると一部の企業は主張。アメリカではニューハンプシャー州の救急ネットワークがストップし、数時間にわたり救助が滞るなど深刻なトラブルが発生しました。
今回のシステム障害は、情報セキュリティ会社クラウドストライク(テキサス州オースティン)のソフトウェア「ファルコン」の更新に伴ったトラブルであるとマイクロソフト側は説明。同社のOSウィンドウズを搭載した端末が障害の対象となり、青い画面上に「問題が発生したため再起動する必要があります」と表示され操作ができない状況が続きました。同社は「影響を受けた企業は数パーセントと少ないが、経済的かつ社会的な面で多大な被害を与えた」とコメント。謝罪の意を表明し、収束に向けて懸命なサポートを行うと述べました。
また、クラウドストライクのジョージ・カーツCEOは19日の会見で、「トラブルの原因はサイバー攻撃ではない」と説明。顧客の安全を確保するため、全力で復旧に取り組む姿勢を強調しました。不具合の対象はウィンドウズのみで、アップル社が開発したOSへの影響はありません。
こうした中、アメリカン航空やユナイテッド航空など主要各社の航空便は19日未明から運航停止を余儀なくされ、多くの乗客は地上待機を求められ空港内で一夜を過ごしました。システム障害による欠航は全世界で3,300便を越え、20日から段階的に運航を再開しています。
日本ではJAL(日本航空)の予約管理システムに不具合が生じ、ウェブ上で国際線予約ができなくなるトラブルが発生。オンラインによるチェックインから手動に切り替えて対応にあたり、19日から20日にかけて運航に大幅な遅れが生じました。
統計によるとウィンドウズは全世界における70%のパソコンに搭載され、クラウドストライクが開発した情報システムは業界シェア20%を超えています。