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アメリカ政府高官らは、NATO(北大西洋条約機構)加盟国から供与されたアメリカ製のF16戦闘機が初めてウクライナに到着したと発表。ロシアによる軍事侵攻が続くなか、ウクライナの戦力増強となるか注目されます。バイデン政権は引き渡しの期限を7月末としており、政府関係者は「約束は守られた」と説明。一方でウクライナ軍のパイロットは数か月にわたり欧米諸国でF16戦闘機の操縦訓練を受けてきましたが、運用開始までに時間がかかるとの見方を示しています。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、かねてからアメリカ政府に対しF16戦闘機の供与を要請してきました。こうした状況を受けてアメリカ政府は7月、オランダとデンマークによる協力のもと戦闘機の移送手続きを開始。3か国の首脳は共同声明を発表し、今年からの運用を目指すとしています。
ゼレンスキー氏は7月31日、NATOを介しての供与にアメリカ側へ謝意を表明。「残忍なロシアからの攻撃からウクライナ国民を守るため、F16戦闘機は大きな力となり活躍するだろう」と述べました。
アメリカが誇る多用途戦闘機F16(ファイティング・ファルコン)とは
F16はアメリカのジェネラル・ダイナミクス社(現ロッキード・マーティン社)が開発した多用途戦闘機で、「第4世代ジェット戦闘機」に分類されます。「ファイティング・ファルコン」の愛称で親しまれ、1974年の開発当時から革新的な技術を積極的に採用した軍用機として活躍してきました。アメリカ空軍では高性能で高価なF15戦闘機が高く評価される一方、ヨーロッパ諸国では安価で実用性の高い本機の実用が中心となっています。F16はこれまで5,000機以上製造され、世界20か国以上の空軍が採用。アメリカ製ジェット軍用機としてはF86(9,860機)、T33(6,557機)、F4(5,195機)に次ぐ第4位の生産数を誇ります。アメリカ空軍向けの生産は終了していますが、現在は主に輸出向けとして改良型の生産を継続。2012年にはモロッコ空軍からの要請で4,500機目となる特別機を納入しています。