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アメリカの世論調査分析サイト“Five Thirty Eight”は21日、11月の大統領選挙に出馬するハリス候補(民主党)とトランプ前大統領(共和党)の支持率を発表。虚偽の宣伝等が露見したトランプ氏の人気に陰りが見える一方、ハリス氏の好感度が急上昇しています。
民主党は現職のバイデン大統領が出馬していましたが、7月に行われたテレビ討論会で言葉が詰まるなど精彩を欠き撤退を表明。副大統領のハリス氏が後任に指名され、高いカリスマ性を持つトランプ氏と支持率で互角の勝負を展開しています。ハリス氏の好感度は無党派層だけでなく、対立する共和党派の有力者からも支持を集めていると専門家は説明。共和党所属のジム・エドガー氏(元イリノイ州知事)、ビル・ウェルド氏(元マサチューセッツ州知事)、クリスティン・トッド・ウィットマン氏(元ニュージャージー州知事)、ジェフ・ダンカン氏(元ジョージア州副知事)、ジョン・ジャイルズ氏(アリゾナ州メサ市長)がハリス候補の支持を表明しました。
ジャイルズ氏は地域メディアの取材に対し、「多くの共和党議員はトランプ氏の極端な思惑に支配されている」と指摘。この発言に多くの共和党の幹部が同調を示し、チャック・ヘーゲル氏(元国防長官)、レイ・ラフード氏(元運輸長官)、ロザリオ・マリン氏(元財務長官)、クリス・バーンズ氏(元ワシントン州上院議員)らもハリス氏への支持を表明しています。
また、ハリス氏の好感度は民主党支持派の女性と黒人有権者を中心に上昇を続け、最新の調査ではおよそ9割の民主党支持者が「同氏に期待する」と回答。今月初旬に行われた同様の調査では約8割程でしたが、トラブルが続くトランプ陣営に差を付けた形です。
Five Thirty Eightは、現在ハリス氏を支持する有権者の割合は46.6%、トランプ氏は43.8%にとどまっていると報告。およそ3ポイントの差をつけてハリス候補がトランプ氏をリードしています。
オバマ元大統領がハリス候補を全面的に支援 トランプ氏の政策を痛烈に批判
民主党は19日から3日間にわたりイリノイ州シカゴで全国大会を開催し、2日目にはオバマ元大統領が登壇。自身が大統領選で勝利した際のスローガン“Yes we can”をもとに“Yes she can”と繰り返し述べ、ハリス氏にエールを送りました。オバマ氏は演説で、「米国市民は初の黒人女性大統領を迎える準備ができています。虚勢と混沌(こんとん)の4年間を繰り返す必要はありません。アメリカは新たな物語を作るのです」とコメント。ハリス氏への支持を表明する一方でトランプ氏の政策や言動を批判し、国内の分裂を避けなければならないと有権者に訴えました。