【アメリカ渡航の最新情報はこちら】
アメリカと中国の首脳らは14日、スイスのジュネーブでAI (人工知能)の開発に関する協議を開催。バイデン大統領は中国のAIについて、「安全保障面において懸念がある」と発言し両国で波紋を呼んでいます。中国の習近平国家主席は昨年11月にバイデン氏と会談を行い、AIの世界的な基準を協議する方針で合意。初協議となる今回の会合では活発な議論が交わされましたが、安全性の規定をめぐりアメリカ側は中国政府に疑問を呈した形です。
協議を終えたアメリカの政府高官は、「中国のAI開発は米国や同盟国に対し国家安全保障面で疑念を抱く部分がある。兵器の開発に決してAIを利用してはならない」と指摘。各国首脳に向けて軍事的なアプローチを避けるべきとの考えを強調しました。また、他の高官は「あらゆるリスクに対処するため今後も協議を開催し、正しいAIの在り方を定める必要がある」とコメント。AIの規制や利用基準については米中のほかEU(欧州連合)でも活発に議論がなされ、将来的な方向性の決定をめぐり各政府は自国に有利な立場を確保したい考えです。
バイデン政権は昨年より、対話型AIの“Chat GPT”やグーグルの持ち株会社アルファベットが開発した“Bird”の普及に伴いAIの利用監視を強化。議会上下両院で正式な審議は行われていませんが、バイデン氏はセキュリティーやプライバシー保護の基準策定に向けた大統領令へ署名しました。一方の中国も生成AIサービスを対象に、24項目から成る政府指針を昨年8月に制定。両国とも積極的にAI開発を進めていますが、安全保障における同一基準の面で平行線を辿っています。14日に行われた協議の成果は薄く、双方の代表はAIの利用に伴うリスクが今後の焦点になると説明。AI技術が急速に発達する中、日常生活を支える側面やルールづくりに向けて今後も協議を行う方針です。