アメリカ国務長官がイスラエル国防相と会談 恒久的な停戦の実現は不透明

アメリカ国務長官がイスラエル国防相と会談 恒久的な停戦の実現は不透明

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アメリカのブリンケン国務長官は24日、首都ワシントンでイスラエルのガラント国防相と会談を開催。イスラム組織ハマスとの間で続く紛争をめぐり、具体的な停戦条件について協議を行いました。人道支援を重視するアメリカ側は協力を惜しまないと述べる一方、全ての人質解放と恒久的な停戦を要請。ガザ地区や周辺で暮らす市民に危害を加えず、深刻な物資不足を解消すべきと強く訴えました。
ブリンケン氏は会談で、「イスラエルと国境を接するレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとの紛争拡大も懸念される」と指摘。仲介国のエジプトやカタールと協力し、早期解決を目指すようイスラエル政府に要求しました。
こうした中、イスラエルのネタニヤフ首相はハマスとの停戦について、「一時的な合意に応じる用意がある」とコメント。条件次第で「休戦」に応じるとしていますが、ハマスや他国が求める恒久的な停戦には応じない姿勢を改めて示しました。ハマス側は「イスラエルは停戦に応じる様子がない」と反発を強め、交渉は先行き不透明な状況が続いています。イスラエル軍は24日もパレスチナ自治区ガザ地区で攻撃を続け、保健当局はこれまでの死者が3万7,626人に上ったと報告。1日あたりの死者はおよそ30人で、多くの子ども達も犠牲になっています。
また、ハマスの撲滅を掲げるネタニヤフ首相は23日の会見で、「一部の人質を解放するための停戦には応じるが、イスラム組織が壊滅するまで戦い続ける」と述べ徹底抗戦を崩さない構えです。このネタニヤフ氏の発言はイスラエル国内で波紋を広げ、一部議員は「停戦の実現を妨げている」と激しく非難。しかし、政権内ではネタニヤフ氏を支持する極右派の発言力が高まり、停戦に関する賛否は議会や市民の間で二極化が進んでいます。

参考元:REUTERSTHE TIMES OF ISRAELMiddle East MonitorBloomberg