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11月の大統領選挙で再選を目指していた民主党のバイデン大統領(81)は21日、再選を断念し選挙戦からの撤退を表明。6月27日にジョージア州で行われたテレビ討論会をきっかけに党内で撤退圧力が強まり、37人の民主党議員が退任を要求していました。バイデン氏の後任候補はカマラ・ハリス副大統領(59)となり、共和党で圧倒的な支持を誇るトランプ氏(78)との一騎打ちに挑みます。再選を目指す大統領の出馬辞退は1968年のジョンソン大統領(民主党)以来、56年ぶりとなる異例の事態です。
バイデン氏は21日にX(旧ツイッター)を更新し、「再選を目指す意思はあるが、私は選挙戦から撤退する。大統領として残りの任期に集中することは、党と国家にとって最善の利益になると信じている」と投稿。民主党の勝利のため身を引く考えを示しました。撤退に関する公式表明は今週中に行うと述べ、今後はハリス副大統領を支持するとしています。ハリス氏の後任指名についてバイデン氏は、「最善の決断」と説明。これに対しハリス氏は声明で、「大統領の支持を光栄に思う。民主党と国家を団結させるため全力を尽くす」と述べました。ハリス氏はアジア系をルーツに持つ黒人の政治家で、民主党は初となる女性大統領の実現に向けて多大な期待を寄せています。
一方のトランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」を21日に更新し、「バイデン氏はアメリカ史上最悪の大統領だ。彼は大統領に就くべきではなかった」とコメント。後任のハリス氏に対しても辛辣な意見を述べ、民主党の体制を批判しました。
バイデン氏は6月のテレビ討論会で数秒間にわたり言葉が詰まるなど精彩を欠き、高齢への懸念が一気に拡大した経緯があります。最新の世論調査では8割以上の市民が「大統領として高齢すぎる」と回答し、民主党内からも候補の差し替えを求める声が強まっていました。演説では言い間違えや失言を繰り返す場面が多く、対面したゼレンスキー大統領を紹介する際に誤って「プーチン大統領」と発言。17日には新型コロナウイルス感染を公表し、現在はデラウェア州の別荘で自主隔離を行い遠隔で執務を行っています。