ハイランドパークのおすすめ観光スポット10選 ロサンゼルスの隠れ家的エリアを徹底解説

ハイランドパークのおすすめ観光スポット10選 ロサンゼルスの隠れ家的エリアを徹底解説

更新日:2024/10/09

ハイランドパークとは

ロサンゼルスの都市から一歩足を踏み出すと、ハイランドパークというLAの隠れ家のような地域があります。このエリアは時代を経ても色褪せぬ歴史と、多様な文化が織り成す美術品のようです。優雅なクラフツマンスタイルの建築と、雄大なコロニアル復興の名作が静かに列を成し、そこにはカリフォルニアの誇り高き伝統と独自性が見事に融合しています。ハイランドパークはダウンタウンの慌ただしさとパサデナの落ち着きが混ざり合う絶妙の立地にあるため、都会の騒音からは適度に遠ざかりつつも生活に必要な利便性が高く人気のエリアです。
時代の蓄積を感じさせるこの街は、その風情あふれる景色を保ちながら静寂を愛する旅行者の心を引き寄せてやみません。この地域には個性豊かなセレクトショップ、視覚を刺激するアートギャラリー、様々なジャンルのレストランが立ち並び、眼前に広がる美しい公園では息を呑むような風景を体感できます。さらにこの街の魅力は、多文化的な雰囲気とコミュニティ間の絆が深いことにもあります。多様なバックグラウンドを持つ住人達が、お互いの文化を尊重し互いを認め合う。その結果、相互に敬う地域文化が育まれています。ここではハイランドパークの魅力を紹介します。

ハイランドパークの歴史と文化

ハイランドパークの歴史は幾世紀の歳月を辿り、根源は遥か1880年代へと遡ります。かつては荒地であったこの地を実業家”プロスペローヒギンボーサム”と”A.E.ポメロイ”がアリゾナから移植した木々に息吹を吹き込み、緑に包まれた魅力的な住宅地に変貌させました。その後、ハイランドパークは1895年にロサンゼルス市に併合。彼らの先見の明と不屈の努力がもたらした美しい風景と独特の文化的な個性が、この街を誰もが認める魅力あるコミュニティへと育て上げました。
多種多様な文化の雰囲気がハイランドパークには色濃く漂いますが、その中でもメキシコ系アメリカ人の影響が深く残っています。ここは長い間メキシコ系アメリカ人コミュニティの本拠地であり、その地位を守り続けてきました。その結果、風味深いメキシコ料理のレストラン、魅惑的なラテン音楽、そして色彩豊かな「ディア・デ・ロス・ムエルトス」（死者の日）の祭りが地域の文化と息づいています。また、近年は若者やアーティストの集いの場となり、文化の新たな火種としての役割を果たしています。ストリートアートから音楽シーン、クラフトビールのブーム、そしてユニークなカフェ文化まで現在ハイランドパークはロサンゼルスで最も活気を感じられるエリアです。

ハイランドパークを彩るアートシーン

ハイランドパークはエネルギッシュなアートシーンで名を馳せています。この地域の街角はアーティストたちの創造力により彩られ、訪れる人々を魅了し地域の個性を一段と際立たせます。
路地を歩くと街の壁がアーティストたちのキャンバスに生まれ変わる様子を目にすることができ、地元アーティストの情熱的な作品から、世界的に名高いアーティストによる卓越した作品まで巨大な壁画が続々と現れます。これらの壁画はまるで、ハイランドパークの物語を描き出す彩り豊かな絵本のようです。ストリートアートを巡る散歩は、この地域の文化とアートシーンを直接肌で感じて深く理解するための素晴らしい機会となるでしょう。
また、ハイランドパークには多くのアートギャラリーが点在し、現代アートが展示されています。地元出身のアーティストから国際的なアーティストまで、彼らの作品は訪問者に新たな視野と深い洞察を提供するでしょう。

ハイランドパークのおすすめグルメ

ハイランドパークは、多彩で豊かな飲食文化が評判です。地元のタパスからシェフが巧みに調理する高級レストランまで、幅広い料理のバリエーションを堪能できます。その中でも、タコスの屋台からエンチラーダ専門レストランまで、ロサンゼルスで最も質の高いメキシコ料理が味わえる場所とも言えるでしょう。「El Huarache Azteca」や「La Estrella」などの名高い店では、伝統的なメキシコ家庭料理の奥深さと豊かさを堪能することができます。また、この街のフードシーンはこれだけにとどまらず、近年は新しいレストランやカフェがオープンし様々な飲食体験が提供されています。「Kitchen Mouse」は、ヴィーガンやグルテンフリーのメニューが豊富なカフェで地域の人も大絶賛。「Triple Beam Pizza」は正統派のローマ風ピザがお勧めです。
さらに、地元のブルワリーやワインバーがハイランドパークの飲食文化をさらに豊かなものにしています。「Highland Park Brewery」や「The Hermosillo」では、地元で醸造されたクラフトビールや厳選されたワインが楽しめます。

ハイランドパークに立ち並ぶ歴史的建築物

ハイランドパークは見事な歴史的建築物の数々が並び、視覚的に楽しめる地区として知られています。ビクトリア調、クラフツマンスタイル、ミッドセンチュリーモダンなど多様な建築様式の家が混在し、それぞれがユニークな魅力をより引き立てています。
特筆すべきは、この地区の壮麗なビクトリアンスタイルの家々。1880年から1890年代にかけて建てられたこれらの住宅は、装飾的で精緻な特性により街並みを一段と美しく彩り、ハイランドパークがロサンゼルス最初の郊外として発展した歴史を物語っています。また、1900年代初頭に建てられたクラフツマンスタイルの家々は、独特の木製細工や広々としたポーチが暖かく親しみやすい雰囲気です。
さらに、1950年から60年代のミッドセンチュリーモダンスタイルの家々も、洗練された直線的なデザインと流れるような形状がその時代の流行を反映しています。

自然とアウトドア

ハイランドパークは、都会の喧騒から逃れて自然を満喫できる理想的な場所です。この地区には地元の住民や観光客がくつろいだり、多くのアウトドア活動を楽しむための緑豊かなスポットがたくさんあります。
特に人気が「Ernest E. Debs Regional Park」。ハイキングやピクニック、鳥類観察など多種多様な活動を楽しむことができ、ハイキングトレイルからはダウンタウンの壮大なスカイラインが一望できます。
さらに、ハイランドパークには「Hermon Park」や「York Boulevard Park」など、多くの公園が点在しています。ここでは家族や友人とゆっくりと過ごすのに最適で、一部の公園には子供向けの遊具やフィットネス設備も完備されています。
野生動物や植物が観察できて、ハイキングやサイクリングも楽しめるアロヨ・セコ地域の一部でもあるこのエリアは自然愛好家にとってまさに楽園です。

音楽とエンターテイメント

ハイランドパークには、アートや音楽などのカルチャーを楽しめる、エンターテイメント性溢れるスポットが多くあります。なかでも、エネルギッシュなハイランドパークの音楽シーンは見逃せません。地元のバンドやツアーバンドが演奏を行う「The Lodge Room」は、アットホームな雰囲気のなか素晴らしい音楽で観客を惹き付け、まるで映画のワンシーンにいるような気分に浸れます。
また、ハイランドパークは活気あるナイトライフでも知られています。「The York」や「Johnny’s Bar」「Gold Line」などのバーやパブで、美味しいお酒と共にロサンゼルスの夜を満喫できるでしょう。

ハイランドパーク観光のベストスポット10選

アーネスト E. デブス・リージョナル・パーク / Ernest E. Debs Regional Park

ハイランドパークにあるこの公園は、中心から北東に広がる自然豊かな楽園です。ロサンゼルスで4番目に大きな公園として知られ、110フリーウェイから簡単にアクセスできます。公園内にはバスケットボールコートやピクニックエリアがあり、初心者から上級者まで楽しめるハイキングトレイルも整備されています。頂上からはハイランドパークやダウンタウンLAのスカイラインを一望出来るため、都会の喧騒から離れて自然と触れ合いたい方にとっては絶好のスポットです。また敷地内にはオーデュボン・センターがあり、バードウォッチングやネイチャーウォークイベントを定期的に開催しています。ここでは双眼鏡やベビーカーの貸し出しも行っているので、家族連れにもおすすめです。

ゴールドライン / Gold Line

ハイランドパークにあるこの薄暗いバーは、ムードのあるリスニングバーとして知られています。このバーはピーナッツ・バター・ウルフとストーンズ・スロー・レコード出身のチームが所有し、メトロ・ゴールド・ライン(現Aライン)に因んで名付けられました。インディーズジャズや、80年代のジャパニーズ・ファンクなどの様々な音楽が地元のDJによって毎晩プレイされています。店内の壁一面のレコードコレクションの中からリクエストも受け付け、巨大な木製キャビネットのスピーカーが空間を豊かなサウンドで満たします。長い木製のバーカウンターやディスコボールの下のソファは、デートや友達とのナイトライフにもおすすめです。この隠れ家的なバーで最高級のお酒を楽しみながら音楽に身を委ねれば、ハイランドパークの夜は特別なものになるでしょう。

ハイランドシアター / Highland Theatres

1924年に著名な劇場建築家”ルイス・アーサー・スミス”によって設計されたハイランドシアター(Highland Theatres)は1925年にオープン。一時期はポルノ劇場としても機能していましたが、1975年からは家族向け映画が再び上映されるようになりました。この映画館はハイランドパーク地区のエンターテイメントの中心であり、レトロな魅力とL.A.スミス設計の劇場としての特性が、地域の貴重な歴史的建造物として残っています。ここは新しいメトロAラインのハイランドパーク駅近くにあるので、旅行者にもアクセスが容易です。

※現在(2024年9月19日時点)は閉店しています。

ドーナツフレンド / Donut Friend

ドーナツフレンドはカスタムドーナツで有名なお店です。音楽プロデューサーだった”マーク・トロンビーノ”によって設立され、シンプルなドーナツに好みのトッピングやフィリングを追加して、オリジナルドーナツを楽しむことが出来ます。発想のアイディアはシンプルかつ革新的で、「訪れる人が好きなトッピングやフィリングを選ぶカスタムドーナツを作りたい」というものでした。このお店の特徴はヴィーガンドーナツを提供しながら、ヴィーガン専門店として宣伝していないことです。よって、多種多様な人がお店を楽しむことが出来ます。ハイランドパークを訪れた際には、このユニークなドーナツショップに行ってみましょう。

ヨーク / The York

ここは新しいトレンドを楽しめるガストロパブとして有名です。このパブの名前は店がある通り名”ヨーク・ブルバード”に由来しています。店内はプロジェクターで古い映画が放映され、モダンで洗練された雰囲気が漂うお洒落なスポット。週末の夜は地元の人達で大賑わいです。このお店の特徴は豊富な種類のビールと美味しい料理にあります。12種類の生ビールと様々な銘柄のボトルビールが提供され、人気ブランドのグース・アイランドやストーン、タップスなども揃っています。料理もとても美味しく、フィッシュ&チップスが特におすすめです。

ベルズベーグル / Belle’s Bagels

このベーグル店は地元の人が舌を唸らす本物のベーグルを提供する場所として有名です。手で捏ねた生地をリング状にして、釜で茹でてから黄金色に焼き上げるという伝統的な方法で作られたベーグルは絶品そのもの。トッピングは両面に施され、生地調整剤を含む添加物は一切使用されていません。
ベルズベーグルは2012年にロサンゼルス出身の2人の男性によって設立。彼らは自宅のキッチンからベーグル作りを始め、ポップアップやナイトクラブでの売店を経て現在の店舗に至りました。彼らの目標はシンプルで、育った街のために地元の食材を使用して良い食事を提供すること。今では毎日通う常連さんもいるほど長蛇の列が出来ています。

カフェバーディー / Cafe Birdie

フィゲロア・ストリート沿いにあるこのレストランは、ハイランドパークの新しい食文化の中心的存在として注目されています。高い天井にエレガントな照明、大理石のトップバーはパリのビストロのような雰囲気です。観葉植物や銅のテーブルが1920年代の建物の魅力を最大限に活かして、落ち着いた店内で食事を楽しめます。季節のメニューは、地中海などの要素を取り入れた手作りパスタがとくに人気です。このお店は地域の住民や観光客が楽しめるダイニング体験を提供し、このエリアの急速に変化する食文化をリードしています。

ロサンゼルス警察博物館 / Los Angeles Police Museum

この博物館は、ロサンゼルス警察署(LAPD)の豊かな歴史を展示する場所として知られています。1926年に建設された二階建てのレンガ造りのルネサンス復興建築は、ロサンゼルスで最も古く残る警察署として、現在は国の歴史的建造物に登録されています。1989年にLAPDの歴史を世界級の展示として公開することを目的として博物館を設立し、それ以来ロサンゼルス市の発展に大きな役割を果たしてきました。ここではその始まりから、世界で最も専門的な警察署となるまでの多くの貢献や困難の歴史を、時代毎の警察車両や制服の展示物を通して学ぶことが出来ます。

ロッジルーム / The Lodge Room

地元バンドが頻繁にパフォーマンスを行う音楽ベニュー。500人収容の会場と新たなアメリカ料理を提供するフルサービスのレストランを併設し、ハイランドパークの最新文化の中心として多くの音楽ファンやアーティストに愛されています。かつてのフリーメイソンのロッジ内に位置し、1920年代イタリアのルネッサンス復興様式を特徴とした歴史的な建物です。また、8,000平方フィートのスペースは現代のライブミュージックのニーズに合わせてリノベーションされ、フリーメイソンとエジプトのシンボルを含む独特な歴史的特徴は現在も残されています。レストラン部分は大きな窓に囲まれて、通りを見下ろしながら食事が楽しめます。会場に駐車場はなく、バレットサービスも導入されていないため注意が必要です。このエリアを訪れる際には、この新しい音楽の聖地をぜひチェックしてみましょう。

アロヨ・セコ / The Arroyo Seco

ハイランドパークを流れる美しい川と都市が交差する魅力的な場所です。野生と調和する場所として多くの人々に愛されています。この川はサンガブリエル山脈から始まり、パサデナを通って最終的にロサンゼルス川に合流します。アロヨ・セコはスペイン語で「乾いた川」を意味しますが、自然と歴史に富み、鳥や爬虫類などの野生動物を観察したい人にとって魅力的なスポットです。また、ここはレクリエーションの場としても利用され、ハイキングやジョギング、馬の散歩など多くのアクティビティが楽しめます。特に下流部には歴史的な橋や公園があり、学校や環境団体が教育活動を行っています。

ハイランドパークへのアクセス

ハイランドパークへのアクセスはとても便利なため、主要観光地からも短時間での到着が可能です。主要な交通網と繋がっているため、自動車やバス、電車と様々な交通手段が利用できます。

自動車

ハイランドパークはロサンゼルス国際空港(LAX)から車で約40分、ダウンタウン・ロサンゼルスからは約15分の距離に位置しています。”Interstate 110(パサデナ・フリーウェイ)”が近くを通っているため、高速道路を利用すれば市内の他のエリアからも簡単にアクセス可能です。ロサンゼルスの交通事情を考慮に入れ、混雑するラッシュアワーを避けることをお勧めします。
ただし、このエリアはフリーウェイの入り口が分かりづらいためアメリカで運転した事がない人にはお勧めしません。

公共交通機関

ロサンゼルス郡都市圏交通局(Metro)のAラインには、ハイランドパーク駅があります。この電車を利用すると、パサデナやユニオンステーション(ダウンタウン・ロサンゼルス駅)から乗り換えなしで到着することができます。ユニオンステーションからは他の電車やバス、アムトラックに乗り換えることが出来るため、市内やその周辺からもアクセスが容易です。

まとめ

ロサンゼルスの他地域とは一線を画した独特の魅力と文化的多様性を誇るハイランドパーク。
徒歩圏内にカフェもあり、都心へのアクセスも最適です。その歴史的な風貌や活気あふれるアートシーン、魅力的なローカルフード、豊かな音楽とエンターテイメント、そして美しく雄大な自然が一つに融合して訪れる人に深い印象を残します。昼間は美術館でアート鑑賞や自然の中でのハイキング、地元アーティストが描くストリートアートを眺めながらの散策など幅広い体験が待ち受けています。そして夜になると、街はさらに活気づいてライブミュージックや映画といったエンターテイメントを楽しむことができます。
上記で紹介した10の観光スポットは、ハイランドパークの魅力の一部に過ぎません。この地域の多様性と豊かさが旅行者を惹き付け、再び訪れたくなること間違いなしです。風格ある建築、融合した多様な文化と美しく壮大な自然、そして刺激的なナイトライフが旅を特別にします。ハイランドパークを訪れてその魅力を自分自身で体験し、ユニークで奥深いこの場所をぜひ堪能してみてください。