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ホワイトハウスは5日、政府報道官を通じてイスラエルへの弾薬輸送を一時停止する意向を表明。詳しい理由を明らかにしていませんが、全米の大学で多発するデモに配慮した措置とみられます。アメリカではイスラエルへの支援をめぐり、ニューヨークのコロンビア大学やUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)などで学生らによるデモが勃発。イスラエルに武器を提供し続けるバイデン政権への批判が高まり、警察はこれまでに34校の大学で3,000人以上の学生を逮捕しました。イスラエルへの武器輸送停止は、昨年10月7日にイスラム組織ハマスとの戦闘を開始してから初となります。ホワイトハウス報道官は武器の輸送停止は一時的であると説明し、ガザ地区の人道支援を目的とした物資や食料の提供は継続すると強調。引き続きイスラエルの安全保障を支援する方針です。
報道官は弾薬輸送の停止について、「イスラエルが直面する脅威から守るために必要な措置」とコメント。ハマスとの停戦と人質協定をめぐる交渉に集中し、拘束されている市民の解放を優先する意向を示しました。また、イスラエルへの支援策に変更はないと述べ、先月バイデン氏が署名した260億ドル規模の対外援助法案を速やかに施行すると説明。予算には150億ドルに上るイスラエルへの軍事援助のほか、ガザへの人道支援として90億ドルの費用が含まれています。
一方でアメリカ政府はイスラエルの軍事作戦に依然として懸念を示し、100万人以上のパレスチナ人が避難するラファ地区の擁護が必要と指摘。先週末はエジプトの仲介により安定的な停戦交渉に臨むと予想されましたが、イスラエルとハマスは戦争の責任をめぐり一進一退の状況が続いています。イスラエルのネタニヤフ首相はガザからの撤退を求めるハマスの要求に異議を唱え、双方とも極端な主張を展開。ネタニヤフ氏は停戦合意に至った場合もハマスの撲滅を掲げており、アメリカを含む各国首脳はラファでの地上戦を避けたい考えです。