デス・バレー国立公園の見どころを解説 気温やベストシーズンを紹介
更新日:2024/10/09

Contents
カリフォルニア州とネバダ州の境界に位置する“デス・バレー国立公園”。夏には50度を超える日もある、アメリカで最も過酷な自然環境を持つ国定国立公園のひとつです。また、砂漠と独特な色合いの地層が織りなす壮大な景色や、塩の平原や砂丘などの神秘的な景観で知られ、世界中から多くの観光客が訪れる人気スポットとなっています。この記事ではデス・バレー国立公園の基本情報や見どころをはじめ、観光のベストシーズン、アクセス方法についても解説します。
デス・バレー国立公園(Death Valley National Park)とは?
デス・バレー国立公園は、カリフォルニア州とネバダ州にまたがる広大な国立公園です。地球上で最も暑い場所に位置し、夏の気温が50度を超えることも珍しくありません。また、園内には北アメリカで最も標高が低い地点“バッドウォーター・ベースン(海面下86m)”も含まれています。そのほかにも、独特な形状の岩石や砂丘、鉱山跡など見どころが盛りだくさん。ここでは、デス・バレー国立公園の基本情報に加え、動く石(セーリングストーン)について解説してます。
気候・気温

なお、過去にデス・バレー国立公園は最高気温56.7度を記録(1913年)しています。これは、世界で観測された史上最高気温としてギネス世界記録に認定されました。ただし、降水量が少ない砂漠気候は昼夜の気温差が激しく、夜間はとても冷え込むため注意が必要です。
面積・標高

人口・住民
デス・バレー国立公園内の人口は300人~400人程です。国立公園局の管理スタッフや地元ホテルの従業員、季節労働者などが、訪問者センターやホテル、キャンプ場を構える“ファーニス・クリーク”を拠点として暮らしています。
ただし、過酷な砂漠気候の環境下では長期的な居住に適していません。平均気温が40度を超えるデス・バレーに居住するには、まず厳しい暑さに体を慣らすことから始まり、完全に慣れるには約1年かかることもあると言われています。そのため、この一帯は科学や生物研究での訪問、または観光地として利用されることが多い場所です。
動く石(セーリングストーン)

【デス・バレー国立公園の基本情報】
施設名 | デス・バレー国立公園/Death Valley National Park |
住所 | P.O. Box 579 Death Valley, CA 92328 |
入場料 | $15~$30(※一部のアクティビティは別途料金が必要) |
営業時間 | 24時間(月~日曜日) |
定休日 | なし |
公式ウェブサイト | Death Vally National Park |
デス・バレー国立公園の歴史

1933年には、“ハーバート・フーヴァー大統領”により連邦政府の保護下に置かれ、広大な自然保護区域として1994年に国立公園に指定されました。現在は自然の過酷さと美しさが共存する場所として、世界中から訪れる観光客を魅了し続けています。
「死の谷」と呼ばれている理由
デス・バレー国立公園が「死の谷」と呼ばれるようになったきっかけは、1849年に起こったカリフォルニア・ゴールドラッシュです。アメリカ国内からだけでなく海外からも金を求める人々が殺到しますが、猛暑と水分不足によって谷を通過できず多くの命が失われました。その際、命拾いをした移民の1人が去り際に言い残した言葉「Goodbye, Death Valley(さようなら、死の谷)」が地名の由来と言われています。この呼び名は、デス・バレー特有の気候条件と生存する厳しさを表現していると言えるでしょう。
デス・バレー国立公園の見どころ

ファーニス・クリーク/Furnace Creek

入場料:自家用車(1台)$30/オートバイ(1台)$25/自転車または徒歩(1人)$15
※パスは7日間有効。支払い方法はクレジットカード決済のみ。
営業時間:午前8時~午後5時(月~日曜日)
定休日:なし
公式ウェブサイト:Furnace Creek Visitor Center
バッドウォーター・ベースン/Badwater Basin

バッドウォーター・ロード沿いの駐車場から徒歩約20分のエリアでは裸足で歩くのがおすすめです。足の裏から伝わる塩の結晶の感覚は、神秘的な体験で思い出に残るでしょう。なお、湿った塩の上を歩けるのは世界でもこのエリアのみ。また、周辺の山々が湖に反射し、異世界のような風景を堪能できるのも魅力です。
レーストラック・プラヤ/Racetrack Playa
“レーストラック・プラヤ”は、広大な平原を石が滑るように移動する現象“セーリングストーン(動く石)”が見られる場所として有名です。この不思議な現象は、特定の気象条件の組み合わせによって引き起こされると科学的に解明されています。なお、デス・バレーの奥地にあるレーストラック・プラヤを訪れる場合は、デス・バレーの奥地にあるため朝早い時間帯の出発がおすすめです。また道も舗装されていないため、車は四輪駆動車が推奨されています。細心の注意を払いながら運転し、旅の思い出に神秘的な現象を写真に収めましょう。
ダンテスビュー/Dantes View

また、どこまでも続く絶景を望められるフォトスポットとしても人気です。フォトジェニックな写真を撮るなら、夕暮れ時がおすすめ。山の奥へと沈んでいく夕日と、塩の平原の色合いが美しいコントラストを形成します。旅の最後を締めくくる絶景ポイントとして訪れるのも良いでしょう。
公式ウェブサイト:Dantes View
悪魔のゴルフコース/Devils Golf Course

メスキートフラット砂丘/Mesquite Flat Dunes

スコッティズ・キャッスル/Scotty’s Castle
デス・バレー国立公園に突如現れる、お城のような“スコッティズ・キャッスル”。1920年代に金探鉱者の“ウォルター・スコット”によって建てられたスペイン風の大豪邸です。宮殿のように豪華な建物は砂漠地帯で特に目立ち、建物内では1920年代の大恐慌時代や1930年代の生活様式など、歴史的な側面も垣間見ることができます。
ただし、現時点(2024年5月)はこの邸宅に続く道は閉鎖されています。一般公開の再開日時も未定となっているため、訪れる際は予め公式サイトで確認しましょう。
所在地:123 Scottys Castle Rd, Death Valley, CA 92328
入場料:無料
※敷地内やビジターセンターは無料で見学可能です。ただし、本館に入るには別途ツアー料金がかかります。
公式ウェブサイト:Scotty’s Castle
デス・バレー観光のベストシーズン

デス・バレー国立公園の入場料

デス・バレー国立公園の入場料
車 | $30 |
オートバイ | $25 |
自転車 | $15 |
徒歩 | $15 |
また、年間パス「アメリカ・ザ・ビューティフル・パス」も購入できます。このパスはアメリカ国内にある国立公園や連邦管理地への訪問が可能となり、公園へ頻繁に訪れる方や家族連れの方におすすめです。有効期限は1年間。オンラインでの購入や公園の入口、ビジターセンターで購入できます。
年間パスの料金
アメリカ・ザ・ビューティフル・パス(※年間パス) | $80 |
日本からデス・バレー国立公園へのアクセス

レンタカーを利用する

ロサンゼルスからのアクセス
ロサンゼルスからデス・バレー国立公園までは、車で約4時間半の距離です。西と東の2種類のルートがあるため、予め混雑状況を確認して出発しましょう。
西のルート
まず、ロサンゼルス国際空港からレンタカーで州間高速道路405番北(I-405N)を北上します。州間高速道路5番(I-5N)に合流し、カリフォニア州道14番北(CA-14)へ乗り換えましょう。さらに北上してレッドロック・ランズバーグ・ロード(Redrock Randsburg Rd)を右折すると、ガーロック・ロード(Garlock Rd)に合流します。そのまま進んでアメリカ国道395番北(US-395N)を経由し、カリフォニア州道190番(CA-190E)を利用すると公園のメインエリアへ入ることができます。
東のルート
東のルートは、ラスベガスへ行く方法と似ています。ロサンゼルス国際空港からレンタカーで州間高速道路105番北(I-105N)を東へ進み605番に乗り換えて北上します。その後、州間高速道路10番東(I-10E)を進み、15番に乗り換えラスベガス方面へさらに北上し、カリフォニア州道127番北(CA-127N)を使って道沿いに北上するとカリフォニア州道190番との交差点(Death Valley Junction)にあたり、そこを左折して190番沿いを西へ向かうとデス・バレーに到着します。
ラスベガスからのアクセス

ツアーに参加する

デス・バレー国立公園を訪れる際の注意事項

水分補給と日焼け対策が必須
過去に54.4度まで上昇したことがあるデス・バレー国立公園では、歩いているだけで熱中症になる可能性があります。そのため、水分補給ができるよう十分な量の水を常に持参しましょう。そのほかにも日焼け対策が必須です。帽子や日傘をはじめ、涼しい素材やUVカット効果が期待できる長袖の着用をおすすめします。
携帯電話が圏外になりやすい
デス・バレー国立公園ではスマートフォンの電波やGPSが不安定なため、頻繁に圏外になります。また、電波が入ってもGPSが正確でない場合が多く、オフロード(舗装されていない道)を案内されることも。地図に記載のある道以外を走ることは違法となるので注意が必要です。予めビジターセンターで紙の地図を入手し、地図を頼りに目的地を目指しましょう。なお、緊急時の連絡手段としてトランシーバーなどの衛星携帯電話を携行すると安心です。
ガソリンは満タンにしておく
レンタカーの場合、入場前にガソリンを満タンにすることが必須です。広大な砂漠地帯でガス欠になり立ち往生することになると、命の危険にさらされてしまいます。公園内にはガソリンスタンドが2か所ありますが、ガソリン代が高く設定されているため、入場前にガソリンを入れておくとスムーズかつお得です。そのほかにも、タイヤの調子やエンジンオイルなども確認して万全の状態でデス・バレー観光を楽しみましょう。
アメリカ渡航・入国にはESTA(エスタ)が必要です
日本国籍者がビザを取得せずにハワイを含むアメリカへ渡航する際は、ESTA(エスタ)の申請が必要です。ESTA(エスタ)はVWP(ビザ免除プログラム)参加国の市民のみ利用できる制度で、観光または出張目的で90日以内の米国滞在を希望する方が対象となります。また、ESTA(エスタ)は年齢を問わず必要となるため、家族やグループで渡航する際は事前に全員分の申請を済ませましょう。ESTA(エスタ)を統括するDHS(アメリカ国土安全保障省)は、少なくとも出発72時間前までに申請手続きを済ませて「渡航認証許可」を取得するよう推奨しています。