サンタバーバラのおすすめ観光スポット10選 新鮮なウニを楽しめるレストランも紹介
更新日:2024/10/09
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サンタバーバラ(Santa Barbara)とは
南カリフォルニアのスモールタウン“サンタバーバラ”。 カリフォルニア州サンタバーバラ郡の沿岸都市で郡庁所在地でもあるこの街は、サンタイネス山脈と太平洋の間に位置しています。イギリス王室のヘンリー王子とメーガン妃が新生活をスタートさせた場所として知られ、多くのセレブリティが休暇に訪れる人気スポット。ロサンゼルスから車で2時間程の場所にあり、ヨーロッパのような過ごしやすい気候とスペインの趣を感じる建物や街並みが特徴です。
またこの街は、美味しい料理とワインも魅力のひとつ。太平洋で獲れる新鮮な魚介類を使用した料理や冷涼な気候で育ったブドウから作られたワインは、この土地が生んだ贅沢な嗜好品として世界中で絶大な人気を誇ります。美しい海岸線を眺めながらのドライブも満喫できるため、車で巡る旅先としても最適です。
サンタバーバラの歴史
先住民時代
スペイン人がこの土地を侵略するまで、25,000人以上の先住民“チュマシュ族”が独立した町や村に住み生活していました。
1960年代にサンタローザ島でアーリントンスプリングスマンの遺骸、1980年代にサンタバーバラ郡の海岸で石器類など先住民の痕跡が相次いで発見され、その歴史は約13,000年前にまで遡ると言われています。発見された遺跡の調査を通して、遥か昔に使用していたとされる道具や伝統的なカヌー“トモル”の制作、ビーズ作りなどの職人技から生まれた習慣と信仰によって彼らの独特な生活様式が形成されていたことが判明しています。
スペイン統治時代
1782年、スペインの権利を確保するため”フェリペ・デ・ネヴェ”指揮下にいた宣教師と兵士がこの地に定住。先住民のチュマシュ族をカトリックに改宗させて統治を開始し、“プレシディオ要塞”を建設しました。その後1786年にスペインのフランシスコ修道会によって“ミッション・サンタバーバラ”が設立されましたが、1812年に発生したマグニチュード7の大地震と津波が街を襲い、教会を含む多くの建物が損壊。しかし教会は1820年までに再建され、現在も街のランドマークとして存続し続けています。
1822年のメキシコ独立戦争終戦とともに300年続いたスペインの植民地時代は終わりを迎えましたが、通りの名前や白壁の建物、オレンジ色のレンガ造りの家屋などはこの統治時代の文化が反映され、現代も独特の景観を形成しています。
メキシコへの返還、そしてアメリカの一部へ
1833年、メキシコの総督たちは地元の名士たちの功績を讃えると同時に同盟を結ぶ目的で、かつてフランシスコ修道会が保持していた広大な土地を分配していきます。これを機にサンタバーバラの農牧時代が始まりますが、この時代は長く続きませんでした。1846年に勃発した米墨戦争の間に、当時の市民は”ジョン・C・フレモント”率いるアメリカ大隊に無血で降伏。1848年にはグアダル―ペ・ヒイダルゴ条約を締結し、この美しい地域は当時急速に拡大していたアメリカの一部となりました。
サンタバーバラの歴史を味わえるおすすめ観光スポット
ミッション・サンタバーバラ / Old Mission Santa Barbara
1786年に創建されたサンタバーバラで最も古い教会“ミッション・サンタバーバラ“。カリフォルニア州の都市“ミッション・キャニオン“に位置し白壁とオレンジ色の瓦屋根が目を引くこの教会は、街の歴史と文化が学べるランドマークとして観光客から人気です。教会の前には庭園が広がり、晴れた日は美しい景色を眺めながらピクニックを楽しめます。館内に入るとお土産屋とガイドツアーの受付があり、ツアー料金は18歳から64歳の大人が15ドル、65歳以上は13ドル、5歳から17歳は10ドル、4歳以下は入場無料で参加が可能です。看板のQRコードをスマートフォンのカメラで読み込み解説を聞きながら礼拝堂や庭園、美術品などを鑑賞できます。(※日本語のオーディオツアーはありません。)
公式ウェブサイト:Old Mission Santa Barbara
サンタバーバラ裁判所 / Santa Barbara County Courthouse
サンタバーバラのダウンタウン内に位置する裁判所です。現在も実際に裁判が行われていますが、裁判がない日は法廷が解放されています。建物内には大きく美しいモザイク模様などの壁画が飾られ、まるで宮殿のよう。その優雅な雰囲気から結婚式場としても利用されています。全米で最も美しい行政府の建物としても知られ、スペイン様式の外観や中庭の青々とした芝生は無料で見学可能です。裁判所のトレードマークである白い時計台からは、サンタバーバラの街全体と太平洋を一望できます。時計台まではエレベーターの利用も可能ですが、見事な装飾が施された階段の利用をおすすめします。
公式ウェブサイト:Santa Barbara County Courthouse
サンタバーバラ歴史博物館 / Santa Barbara Historical Museum
1932年設立、ダウンタウンの南に位置する小さな歴史博物館です。ここではサンタバーバラの歴史と文化を深く学べます。展示物はネイティブアメリカンの時代から始まり、スペイン統治やメキシコ統治時代を経て、現在に至るまでの資料や作品が公開されています。入館料は無料で小規模ながら展示物の数が多く充実しているため、歴史が好きな方は特におすすめ。噴水が設置されている中庭は休憩にも最適なスポットです。
公式ウェブサイト:El Pasidio de Santa Barbara
プレシディオ要塞 / El Pasidio de Santa Barbara
サンタバーバラが誕生した場所“プレシディオ要塞”。現在は州立歴史公園となっているこの場所は、かつてインディアンから攻撃を防ぐための要塞として建造されました。教会を含む8つの建物が集まり構成されていますが現存するものは1つのみ。主要建物内にはツアーの受付や無料で観覧できる部屋があります。各部屋は当時の様子を展示しており、中には第二次世界大戦前この地区に日本人街があったことから日本民謡「十五夜お月様」が流れる部屋も。なお復元された8つの建物を見学することもできますが、その場合は見学料5ドルが必要です。
公式ウェブサイト:Santa Barbara Historical Museum
自然を満喫できるおすすめ観光スポット
チュマシュ・ペインテッド・ケーブ州立歴史公園 / Chumash Painted Cave State Historic Park
ダウンタウンから北へ車で約20分の距離にある洞窟です。サンタバーバラの山中にあるこの公園には先住民“チュマシュ族”によって描かれた洞窟画があり、その歴史的・文化的価値の高さから保護され後世に歴史を伝えています。岩壁に描かれている神秘的な図形や模様は現在も鮮明に形取られているため、遺跡好きな方やこの街の歴史を学びたい方におすすめのスポットです。ただしこの公園へ行くには非常に細い山道を通らなければならないため、運転に慣れている方と一緒に訪れると良いでしょう。
公式ウェブサイト:Chumash Painted Cave State Historic Park
スターンズワーフ / Stearns Wharf
サンタバーバラの海岸沿いにそびえる木製の桟橋です。元々は船の停泊場で物流のために使用されていましたが、現在はレストランやお土産屋、海洋博物館などが立ち並ぶ主要な観光スポットとなっています。1872年に建造されたこの桟橋は太平洋に突き刺さるように伸び、橋の上を歩くだけでも美しい眺めを観賞できます。桟橋の先頭で釣り用具のレンタルと餌の購入が可能なため、地元住民と一緒に釣りも楽しめます。またここからは色々な種類のクルーズ船が運行し、2月から5月までの間はホエールウォッチングが可能です。駐車場も完備されていますが、夕暮れ時の景色がとても綺麗なので歩いて渡ることをおすすめします。
公式ウェブサイト:Stearns Wharf
ヘンドリーズ・ビーチ / Hendry’s Beach
サンタバーバラの“アローヨブロービーチ郡立公園”にあるローカルビーチ。地元のサーファー達が”ザ・ピット(The Pit)”と呼ぶサーフスポットとしても有名です。海岸線沿いに位置するこの街の夕日はどこから眺めても綺麗ですが、この“ヘンドリーズ・ビーチ”からの景色は格別。オレンジ色に染まる空から沈む太陽が海面に近づくに連れて光が反射し、青い水面と太陽の間に綺麗なグラデーションを作り上げます。夕日が沈む方角に突き出た半島も次第に染まっていき、静かな波の音とともに過ごすゴールデンアワーは旅の締めくくりにぴったりです。
サンタバーバラのおすすめグルメスポット
サンタバーバラは、カリフォルニアの豊かな農地と海で獲れる材料を活かしたグルメが魅力です。ここでは、地元の味を堪能できるおすすめのレストランやカフェを紹介します。
コールド・スプリング・タバーン / Cold Spring Tavern
ダウンタウンから車で北へ約20分、山間の静かな場所に建つ隠れ家風レストランです。ここは19世紀に馬車の宿泊施設として使用されていました。ウッド調の内装と山小屋の独特な雰囲気は、古き良きアメリカの空気を体感できます。フルサービスのレストランのほかにバーやお土産屋が併設され、バイク乗りだけでなくハイカーからも人気のお店です。地元のジャズやブルースバンドによる生演奏イベントも行われ、山中にありながら連日多くの人で賑わっています。メニューは地元の食材を使用した伝統的なアメリカ料理が豊富です。炭火で焼いたトライティップのバーベキューサンドイッチは週末のみ味わえます。
公式ウェブサイト:Cold Spring Tavern
アレッシア・パティスリー・アンド・カフェ / ALESSIA Patisserie and Cafe
サンタバーバラのダウンタウン、“プレシディオ要塞”目の前にあるフレンチスタイルのカフェです。メニューはブランチからデザートまで幅広くありますが、1番人気は手作りクロワッサン。焼きたてがおすすめなのはもちろんですが、冷めても外はサクサク・中はしっとりモチモチの食感です。バターの風味が口いっぱいに広がり、本場フランスの味を楽しめます。このカフェのコーヒーはエスプレッソやラテも香りが引き立ち味わい深く、お店のこだわりが感じられます。朝のひとときや観光地巡りの合間に、美味しい料理とコーヒーでホッと一息つきましょう。
公式ウェブサイト:ALESSIA Patisserie and Cafe
サンタバーバラ・シェルフィッシュ・カンパニー / Santa Barbara Shellfish Company
スターンズワーフの先端に位置するこのレストランは、ウニやロブスター、ホタテなどの新鮮なシーフード料理が自慢のお店です。地元で獲れたウニを乗せたホタテや、ロブスターサンドイッチ、セビーチェにクラムチャウダーなどアメリカならではのメニューが並びシーフード好きには堪りません。さらにこのレストランは海の上にあるため、最高の眺めと共に食事を楽しめます。特に夕日が沈む時間帯は多くの人が窓際や外の席を求めて訪れるため、予め予約をしておくと良いでしょう。
公式ウェブサイト:Santa Barbara Shellfish Company
サンタバーバラ・フィッシュ・マーケット / Santa Barbara Fish market
サンタバーバラ・ハーバーの真横に位置する小さな魚市場です。ここでは獲れたてのウニを購入して家でそのまま調理ができるため、利便性の良さから地元の人を中心に愛されています。またその場ですぐ食べたい場合は、新鮮なウニを店員が食べやすく割ってくれるので活きが良い状態で堪能できます。鮮度の高いウニを頬張り、口の中いっぱいに広がる美味しさを味わいましょう。
公式ウェブサイト:Santa Barbara Fish Market
サンタバーバラワインの魅力
カリフォルニア州の中でも、サンタバーバラの冷涼な気候と風土はワイン造りに最適です。サンタバーバラは北米で唯一海岸から東西に走る山脈があり、これが独特な気候を生み出している理由のひとつです。また近海と山脈の影響を強く受けて発生する霧により生まれる気候が、ぶどうの栽培に理想的な環境を作り出しています。
この地域は“ピノ・ノワール”の銘醸地としても知られており、特に有名なのは“サンタ・リタ・ヒルズ”です。そのほかにも“シャルドネ”など気候に合ったワインから、ボルドーワインまで幅広く生産されています。
サンタバーバラ・ワイナリー(Santa Barbara Winery)でのテイスティング
スタンドワーフから徒歩約5分の場所にある“サンタバーバラ・ワイナリー”は、この街で最も古いワイナリーのひとつです。特に地元で収穫したブドウで生産された“ピノ・ノワール”や“シャドネ”はワイン愛好家から高い評価を受けています。経験豊富なスタッフが各ワインの特徴やペアリングの提案をしてくれるので、ワイン初心者も安心して楽しむことができます。
公式ウェブサイト:Santa Barbara Winery
ロサンゼルスからのアクセス方法
サンタバーバラへ車でのアクセス
ロサンゼルスからサンタバーバラまでの距離は約153km。US101号線を北へ進むと約1時間半から2時間程で到着します。高速道路では、美しい海岸線や丘陵地帯が広がる絶景を眺めながらドライブを満喫できます。運転中も飽きずに目的地のサンタバーバラへ辿り着けるでしょう。
サンタバーバラへ飛行機でのアクセス(サンタバーバラ空港)
ロサンゼルス国際空港(LAX)からサンタバーバラ空港(SBA)の直行便は毎日数便運行しています。飛行時間は1時間未満。さらに空港から市内までは車で約15分とアクセスしやすく便利です。空港に着いたらレンタカーやタクシーを利用して、目的の観光地や宿泊施設へ移動しましょう。
公式ウェブサイト:Santa Barbara Airport
サンタバーバラへアムトラックでのアクセス
アメリカの鉄道会社、アムトラックの列車「パシフィック・サーフライナー」もサンタバーバラへの移動手段として人気です。ロサンゼルスのユニオン駅(Union Station)からサンタバーバラ駅(SantaBarbara Station)までは約2時間半。車窓から美しい海岸線の景色を眺めながら移動できます。特に夕暮れ時の太平洋はため息が出る美しさ。多くの旅行者がこの景色を求めて乗車します。
旅行の際のヒント
サンタバーバラの天気とベストシーズン
サンタバーバラは、年間を通して気温の変化が緩やかな地中海性気候の地域です。1年間で最も暑い7月や8月でも平均気温は17.4度なので、夏でも過ごしやすい天候が続きます。サンタバーバラ観光に最適な季節は、海から吹く風が心地良く感じられる春や初秋です。ただし時間帯によっては肌寒くなるため、ウィンドブレーカーやパーカーなど羽織れるものを持参して体温調節ができるようにしましょう。
治安について
サンタバーバラはシティカレッジと大学があるため、多くの留学生が住む学生の街としても有名です。そのため様々な国の人種と交流があり、多様性を受け入れる国際的な文化が育まれています。このような背景から比較的安全なエリアで治安は良好です。ただし、夜間の外出や人気のない場所は注意が必要です。訪れる際は一般的な旅行の注意点を守り、サンタバーバラを観光しましょう。