ニューヨーク・セントラルパークの魅力を紹介 広さや歴史についても解説
更新日:2024/10/08
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セントラル・パークの概要
ニューヨーク市マンハッタンに位置するセントラル・パークは、広大な自然に溢れた世界的に有名な都市公園です。この緑に囲まれた都会のオアシスはニューヨークの喧騒から離れて一息つくのに最適な場所として、市の中心部にありながら季節ごとに自然が生み出す静けさと安らぎを提供しています。年間約4200万人が訪れるとされるこの公園は、ニューヨーカーにとって忙しない日常を忘れられるひとときを感じる逃避先であり、さらにはマンハッタンの「心臓」とも称される、観光客にとってもこの都市の魅力を存分に味わえる特別な場所と言えるでしょう。
公園の広さとその特徴
セントラル・パークは、南北に約4km、東西に約0.8kmの長方形の形状で、その面積は約341ヘクタールにも及びます。この公園は生命力に溢れ生い茂る木々や、8つの美しい池と湖に風情を感じられる橋、さらには整備された広々とした芝生、そして歴史的建造物など、公園の隅々まで四季折々の景観が楽しめるのが特徴です。アメリカでも特に人気のある都市公園のひとつで、2016年には約4200万人もの観光客が世界中から訪れました。
セントラル・パークの歴史
アメリカ、ニューヨーク市の中央に位置するセントラル・パークは都市の喧騒を忘れさせる緑豊かな憩いの場として、市民はもちろんのこと、観光客から長年に渡り愛され続けてきました。この公園が創設された始まりは19世紀初頭に遡ります。
1821年から1855年の間、ニューヨーク市の人口が約4倍にまで増加した事態の変化に伴い、市民は自然と触れ合える空間を切望するようになります。しかし1811年の都市計画ではセントラル・パークのような大規模な公園の建設はなく、小規模な広場の設置が計画されていました。
1851年に行われたニューヨーク市議会においてアンブローズ・キングスランド市長が公園を新たに建設する必要性を説いたことで、設置へと議会が動き始めます。すると議会の土地委員会に5番街、8番街、59ストリート、106ストリートに囲まれた750エーカーの土地が注目されセントラル・パークの地として選ばれました。1853年には、ニューヨーク州議会がセントラル・パーク法を可決したことで公園用地の購入が承認され、その後1857年に州議会が公園の計画と建設を管理していた民主党員と共和党員でセントラルパーク・パーク委員会を設立。その直後、委員会が園内の設計案を募るために「ランドスケープ・デザインコンテスト」を開催します。”フレデリック・ロー・オルムステッド”と“カルヴァート・ヴォークス”の「周囲の土地より低い位置に公園を作り、周辺の都市と公園を明確に分離させる」という内容のグリスワード計画が採用され、公園の設計が進められました。
肥沃な土壌が不足していたため大量の肥土を外部から輸送させるなど、セントラル・パーク建設面での問題は尽きず困難を極める事となります。1857年に始まった建設作業は労働者の安全を考慮しながら進められ、湖や森林地帯などが順次公開されていきました。南北戦争が勃発していた最中も建設は続き、1860年代には公園の大部分が完成します。その後、1870年代の政治的問題をめぐり建設が遅延したものの、1876年に完成を迎えました。
現在セントラル・パークは、多くの歴史的建造物が点在するランドマークとして知られています。1860年代に建てられたベセスダ・テラスは、上部と下部の二重構造となり上部の装飾的な花崗岩(かこうがん)の踊り場と階段が特徴的で、世界でも有名な噴水として芸術と建築の傑作と言われています。公園内にある多くの記念碑や彫像それぞれが、ニューヨークやアメリカが築き上げた歴史の一部を物語っていることが見受けられるでしょう。
セントラル・パークの主要スポット
シープメドウ/Sheep Meadow
セントラル・パーク南側、西寄りに位置するこの場所はかつて羊の放牧地として使用され、現在はピクニックや日光浴、カジュアルなスポーツなどを楽しむのに最適な空間として親しまれています。19世紀半ば、大規模なイベントや軍事訓練、ピクニックなどを好まなかった公園管理委員会の方針のなか、公園の景観をより英国風のロマンチックなものにするため1864年に約200頭の羊が放し飼いにされた事が名前の由来と言われています。
このエリアには手入れが行き届いた美しい芝生が広がり、緑豊かな自然との調和を感じさせるリラクゼーションの場所として多くの人々に愛されています。絶景の夕焼け撮影スポットとしても有名なため、夕方の時間帯の訪問が特におすすめ。セントラル・パークの木々を赤く染める夕日が、近隣の巨大なビル群に反射し息をのむような美しい景色を生み出します。このゴールデンタイムは、セントラル・パーク・タワーやビリオネアズ・ロウと呼ばれる高層ビル群のスカイラインを一望できる、まさにニューヨークの象徴的な景色と言えるでしょう。
公式ウェブサイト:Sheep Meadow
ストロベリー・フィールズ/Strawberry Fields
セントラル・パーク西側にある「ストロベリー・フィールズ」というこの特別な区画は、ビートルズのメンバーであると同時に個人としても音楽史に大きな足跡を残したジョン・レノンに捧げられた場所です。この名前は彼らの有名な楽曲「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」から取られました。この区画はジョン・レノンが殺害されたダコタ・ハウスの真向かいに位置しており、彼の最期の日々を過ごした場所にふさわしい追悼の場でもあります。
このエリアは彼の音楽と込められたメッセージを記念し尊重するための場所として、妻オノ・ヨーコの寄付により造園されました。区画内には「Imagine」と刻まれた円形の記念碑が設置されており、これはジョン・レノンの有名な楽曲のタイトル「イマジン」に因んでいます。この記念碑は世界平和を願う象徴として、世界中から訪れるファンや平和を願う人々にとっての聖地のような存在です。連日多くの人々がここに集い、彼の精神や音楽を称えて平和への願いを共有しています。
公式ウェブサイト:Strawberry Fields
ベセスダ噴水/Bethesda Fountain
セントラル・パークの南側、北部に位置するベセスダ噴水は園内でも特に人気のある撮影スポットです。この優雅にそびえ立つ彫像は1868年にデザインされ、1873年に公開されました。約2.4mの高さを誇る青銅製の女性天使の像は、「エンジェル・オブ・ザ・ウォーターズ(水の天使)」とも呼ばれ、聖書ヨハネの福音書に記されたベテスダの池でイエスが障害者や病人を治癒した物語に基づいています。彫像の足元には4つの小さな智天使が配置され、それぞれ節制、純潔、健康、平和を象徴しています。この彫像はセントラル・パークの芸術的な美しさと歴史のシンボルとして、多くの訪問者に広く親しまれてきました。
公式ウェブサイト:Bethesda Fountain
ザ・モール/The Mall
ベセスダ噴水の南側に位置するこの巨大な並木道は、紅葉の季節に訪れる際には最適なスポットです。このエリアにはアメリカニレの木々が立ち並び、秋には葉が鮮やかな黄色や赤に染まり包み込むように降り注ぐ木漏れ日が見られ、訪れる人々を魅了します。夏の青々とした木々の葉とは一変し彩り豊かな紅葉を鑑賞するために、特に週末になると多くの人で賑わう場所です。この並木道はセントラル・パークの中でもメイン通りのひとつで、オリジナルのアクセサリーを販売する人々や、楽器演奏やダンスなどストリートパフォーマンスを行うアーティストたちが集まり、地元住民や観光客に愉快なひと時を提供しています。
セントラル・パークの東側、72ストリートから公園の中心へと歩いていくと左手に目的地となる並木道が広がり、アクセスも容易です。
公式ウェブサイト:The Mall
ベルヴェデーレ城/Belvedere Castle
パークの中心部南側、79ストリート沿いに位置するこの城は、中世の宮廷やおとぎ話の世界の宮殿を思わせる装飾建築が特徴です。パーク内で二番目に高いビスタロックの頂上に建ち、灰色の花崗岩で美しく装飾された姿が訪れる人々を惹き付けています。さらにここは1919年からセントラル・パークの公式気象観測所としても使用され、ギフトショップや展望デッキも備えてるスポットです。
城の名前である「ベルヴェデーレ」はイタリア語で「素晴らしい眺め」を意味し、展望台からの眺めは特に人気のスポットです。城の前にはタートル・ポンドという池が広がり季節によって異なる姿を見せ、夏には緑が生い茂り、春には桜が咲き乱れ、冬には氷が張るという四季折々の美しい光景を楽しむことができます。池を周るルートでは、城の全景を眺めながら建築の壮麗さを十分に味わうことができるため、訪れる際は池の方面から巡ることをおすすめします。
休業日:サンクスギビングデー(11月の第4木曜日)、クリスマス、元日
所在地:Mid-Park at 79th St, Central Park, New York
公式ウェブサイト:Belvedere Castle
セントラル・パーク動物園/Central Park Zoo
パーク内南東部に位置するセントラル・パーク動物園は、1860年開業のニューヨークで初めて設立された動物園です。この動物園は規模が大きくないものの多種多様な動物を観察でき、コンパクトな施設で周りやすいという特徴があります。動物たちとの距離が近く、自然とのふれあいを大切にしたい方には特におすすめです。
見所は、美しいスノーレオパード(ユキヒョウ)や力強い迫力満点のヒグマ、愛嬌たっぷりのアシカなどを始めとする、ここでしか見られない貴重な動物たちの自然な姿です。特にスノーレオパードは園内にいる動物の中でも特に大きな動物で、その白い毛並みと優雅な姿は思わず見惚れてしまうほど。また、子供たちが動物と直接触れ合える「ティッシュ・チルドレンズ・ズー」(Tisch Children’s Zoo)では、ヤギやヒツジに餌やり体験が可能で子供連れには特におすすめのスポットです。入場料はオプションの4Dシアターの有無によって価格が異なりますが、動物園だけでも充分に楽しめます。
営業時間(※2024年3月29日~11月2日):月~金曜(午前10:00~午後5:00)土日、祝日(午前10:00~午後5:30)
入場料:大人(13歳以上)$13.95/子供(3~12歳)$8.95/シニア(65歳以上)$10.95
4Dシアター付き入場料:大人$19.95/子供$14.95/シニア$16.95/乳幼児(2歳以下)のお子様であればどちらの入場料も無料です。
所在地:East 64th Street, New York, NY 10021
公式ウェブサイト:Central Park Zoo
デイリービジターセンター/ギフトショップ/The Daily Visitor Center and Gift Shop
この小さな歴史あるゴシック復興様式の要素を含む美しい建物は、1871年にレストランとして建設され現在は公園のギフトショップや訪問者センターとして機能しています。
デイリーセンターは公園南部に位置し、セントラル・パーク動物園やウォールマン・リンクなどの人気スポットに隣接しているため、観光ついでにお土産の購入も可能です。ここでは、セントラル・パークのロゴやニューヨークの風景が描かれたポストカードやTシャツ、キャップなど、多彩なお土産品が揃っています。特に人気なのはジョン・レノンの「Imagine」の記念碑がデザインされたブランケットやマグカップです。デイリーセンターのスタッフは親切な方が多いので、公園に関する質問にも丁寧に答えてくれます。この場所はお土産ショップとしてだけでなく、スタッフによる心遣いやパーク内の地図の配布など、提供してくれるサービスが訪れる人々の心をより豊かなものにしてくれるでしょう。
休業日:サンクスギビングデー(11月の第4木曜日)、クリスマス、元日
所在地:Mid-Park between 64th & 65th Sts, Central Park, New York
公式ウェブイト:The Daily Visitor Center and Gift Shop
アクティビティと体験
ニューヨークのセントラル・パークは、ただ歩くだけでなく四季折々のアクティビティを楽しめる魅力的な場所です。サイクリング、ピクニック、ボート、アイススケートなど、季節に応じて様々な楽しみ方があります。ウォーキングや観光だけでも十分に堪能できるスポットですが、隅々まで満喫するにはここでしか体験できないアクティビティが最適です。季節によって楽しめるアクティビティが異なるため、訪れる時期に合わせて各種遊び尽くすことでセントラル・パークの思い出を鮮明に残せることでしょう。ここではパーク内を散策する際に手軽に利用できるレンタサイクルを紹介します。
レンタサイクルの魅力
公園内のサイクリングは、セントラル・パークを様々な角度から楽しめる絶好のチャンスです。公園内外に点在している受付でレンタサイクルの利用が可能で、手軽に借りられます。特に人気なのはシティバンクが運営するレンタル自転車「シティバイク(Citibike)」です。レンタルできるステーションは市内の至る所にあり、スマートフォンでアプリをダウンロードすれば誰でも気軽に利用できます。また公園の周囲には多数の駐輪場があり、園内のサイクリングにも最適です。
レンタルの手順
- 専用アプリをダウンロードし、ユーザー登録を行う。
- アプリ内の地図で近くの駐輪場を探す。
- 駐輪場で自転車のハンドル部分にあるQRコードをスキャンする。
- スキャンが認識されるとロックが解除され、サイクリングスタート。
- 利用後はアプリの地図で近くの駐輪場を探し、自転車を施錠する。
- 料金をアプリ内で確認。
料金
デイパス:1日$19で30分乗り放題、その後15分延長ごとに$4。
レンタルできる自転車はクラシックタイプと電動タイプの二種類になります。電動自転車を使いたい場合は、事前にアプリで利用可能か確認しましょう。頻繁に利用する場合はデイパスがお得ですが、30分毎に乗り換えなければ追加料金が発生します。その他にも利用終了時に施錠がしっかりとされていない場合は課金の延長、自転車の盗難に遭った際は1200ドルの罰金など、利用の際にはいくつか注意が必要です。基本ルールを守り、なるべく長時間乗らないようにするのがコツになります。
セントラル・パーク内はサイクリングコースと歩道が分かれているため、ルールを守って安全に楽しみましょう。広大な敷地を横断するコースでは、サイクリングしながら四季折々の美しい景色を堪能できます。サイクリングを通じて、セントラル・パークの豊かな自然と空気を存分に感じてみてはいかかでしょうか。
セントラル・パークへの行き方
ニューヨークにある自然豊かな名所セントラル・パークへは、市内からでも簡単にアクセスできます。
ここでは、日本から旅行する方にも分かりやすいように主要なアクセス方法や最寄り駅を紹介します。
地下鉄でのアクセス
セントラル・パークへの最も便利な交通手段はニューヨークの地下鉄(MTA)です。ただし公園は南北方面に長く、訪れたいエリアによって降車する駅が異なります。
南端へのアクセス
南西側:59ストリートコロンバスサークル(59 St – Columbus Circle)駅(1、2、A、B、C、D線)
南東側:5番街/59ストリート(5 Av/59 St)駅(N、Q、R、W線)
中央部へのアクセス
西側:72ストリート/セントラル・パーク・ウェスト(72 St)駅や81ストリート(81 St-Museum of Natural History)駅(B、C線)
東側:77ストリート/レキシントン(77 St)駅(4、6線)、86ストリート/レキシントン・(86 St)駅(4、5、6線)
北端へのアクセス
Central Park North(110 St)駅(2、3線)
バスでのアクセス
東側へ:M1、M2、M3、M4
西側へ:M10、M72
タクシー・ライドシェア
公園周辺はタクシーやライドシェアサービスも頻繁に利用できます。特に初めて訪れる方には手軽で便利な選択肢としておすすめです。
周辺ホテルの情報
パーク・レーン・ホテル(Park Lane Hotel)
ニューヨークの中心地、ビリオネアズ・ロウに建つこの絢爛なホテルは、セントラル・パークの息を呑むような美しい景色と共にマンハッタンのスカイラインが一望できる絶好の立地を誇ります。この46階建ての高層ホテルでは、大きな窓とスタイリッシュな内装が特徴的な広々とした客室に上質なアメニティが快適な滞在を約束するでしょう。ホテル内には、パリのアールヌーボースタイルのバーや最上階47階にも屋上ラウンジバーが併設されており、洗練された雰囲気の中で朝のコーヒーや夜のカクテルを楽しめます。また、周辺にある便利なデリやスターバックス、地下鉄へのアクセスも良好です。さらにグルメを楽しみたい方には、この地区にあるステーキハウスなどの高級レストランを訪れることをおすすめします。
ニューヨーク市内にある他の観光地へのアクセスも抜群で、ブロードウェイ劇場やニューヨーク現代美術館(MOMA)など、市内の主要スポットにも近いためニューヨーク観光を存分に満喫したい方には最適です。
公式ウェブサイト:Park Lane Hotel
ザ・プラザ(The Plaza)
セントラル・パークに面した歴史的な魅力が溢れるザ・プラザは、1907年の開業以来ニューヨークの豪華なライフスタイルを象徴するホテルとして、多くの世界のリーダーや著名人を迎えてきました。開業当時から超越した優雅さと現代に調和した洗練された美しさが見事に融合し、宿泊者に忘れがたい体験を提供しています。
ザ・プラザの客室は類を見ない極上の快適さを提供しています。室内のリネンにはイタリア製を使用し、ゴールドプレートで装飾されたバスルームを備えているほか、一部のゲストルームにはテラスも完備されています。また二階建てという豪華な構造のスイートルームも存在するほど。全室にはフラットスクリーンテレビやWi-Fiが完備され、加えて「ホワイトグローブ(White Grove)」と呼ばれる白い手袋をしたバトラーによるルームサービスも24時間も享受でき、まさに至れり尽くせりです。
ホテル内ではステンドグラスの天井が印象的なパームコートでのアフタヌーンティーに伝統深いジャズラウンジ、そして高級シャンパンバーでのひとときが、訪れる人々にこの上ない幸せな空間をもたらしています。ザ・プラザで過ごす時間は、まさに王様のような贅沢な気分を味わえるでしょう。
公式ウェブサイト:The Plaza