ロサンゼルスの地下鉄の乗り方を解説 路線や料金情報も紹介
更新日:2025/01/02

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アメリカを代表する大都市ロサンゼルスを効率良く移動するには、地下鉄“メトロレール”の利用がおすすめです。地下鉄を利用すれば、車社会のロサンゼルスで渋滞に巻き込まれる心配がなく、海外でのレンタカー運転が不安な方も安心して観光を楽しめます。この記事では、ロサンゼルスの地下鉄メトロレールの乗車方法や運賃、各路線の特徴について解説。さらに、乗車時に便利な交通ICカード“TAPカード”についても詳しく紹介します。
ロサンゼルスの地下鉄「メトロレール(Metro Rail)」とは?
ロサンゼルスの地下鉄は“メトロレール(Metro Rail)”と呼ばれ、ロサンゼルス郡都市交通局(LACMTA)が運営する公共交通システムのひとつです。メトロレール(※電車も含む)は、主要エリアを101の駅で結び、広範囲に点在する観光スポットへ容易にアクセスできるのが特徴。そのため、地元住民だけでなく観光客にも非常に便利な移動手段として利用されています。なお、メトロレールのほかにメトロバスもあるため、併用して効率よく観光スポットを回りましょう。
メトロレールの路線・区間

Aライン(A Line)/ブルーライン(Blue Line)

歴史ある駅としても有名な“ユニオンステーション(Union Station)”にも停車するため、“ドジャー・スタジアム(Dodger Stadium)”での試合観戦へ向かう際も便利。また、パサデナやロングビーチへの観光を計画している方にも最適な路線です。なお、Aラインは1日約19時間運行し、ダウンタウン・ロサンゼルスではEラインと5つの駅に乗車可能です。
Bライン(B Line)/レッドライン(Red Line)

また、人気テーマパーク“ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド(Universal Studios Hollywood)”前に駅があるのも魅力と言えるでしょう。なお、ダウンタウンとコリアタウン間ではDラインに乗り換えが可能。両線合わせた1日の平均乗車数は13万人を超えるほど、活発な路線としても知られています。
Cライン(C Line)/グリーンライン(Green Line)

2024年には、Kラインへ接続する区間の開業に伴いCラインとKラインが統合し、駅の再編が予定されています。Cラインの西端は“LAX/メトロ・トランジット・センター駅”に変更され、ロサンゼルス空港への移動が便利に。Kラインはレドンドビーチ駅まで延長されます。
Dライン(D Line)/パープルライン(Purple Line)

全8駅という短い区間ですが、車を所有していない地元住民からも重宝されています。2024年現在は、ミッドウィルシャー地区、ビバリーヒルズ、センチュリーシティ、ウェストウッドへの延伸工事が行われ、2025年から2027年にかけて段階的に開業予定です。
Eライン(E Line)/エクスポライン(Expo Line)

2023年6月のリージョナルコネクターの開業により、Eラインは“Lライン(L Line)/ゴールドライン(Gold Line)”の一部を統合、東ロサンゼルスまで路線が延長されました。この変更に伴いLラインは運行を停止し、Eラインの路線カラーはゴールドに変更されています。
Kライン(K Line)

2024年にはCラインに接続する区間が開業予定で、新区間の追加に伴いKラインはトーランス・トランジット・センターまで延伸される予定です。なお、延長区間の改装中は“ウェストチェスター/ベテランズ(Westchester/Veterans)”から“アビエイション/LAX(Aviation/LAX)”間を、シャトルバス「C&K Line Link」が運行しています。
メトロレールの料金システム

ただし、2023年7月からの新料金システムでは、乗れば乗るほどお得になる“運賃上限システム”が導入されました。下記の上限を満たした場合、それ以降の運賃が無料になります。なお、このシステムを利用するには、交通系ICカード“TAPカード(別途料金2ドル)”または“TAPアプリ”が必要です。
運賃上限システム適用の条件
- 1日あたり$5以上、または3回以上乗車した場合
- 7日以内に$18以上、または11回以上乗車した場合
※運賃は変更となる場合があります。最新情報はメトロレール公式サイトでご確認ください。
メトロレールの支払い方法
ロサンゼルスの地下鉄には、紙の切符がありません。そのため、“TAPカード”または“TAPアプリ”で運賃を支払う必要があります。ここでは、それぞれの支払い方法を詳しく紹介します。
支払い方法1:TAPカード

TAPカードの購入方法

- メトロ各駅にあるTAP 自動販売機(TVM)
- TAPカード加盟店(ラルフスやノースゲートマーケットなど)
- メトロカスタマーサービスセンター
- オンライン ※カードの送付に2週間程度かかる場合があります
支払い方法2:TAPアプリ
TAPアプリとは、日本で言う“モバイルSuica”のようなスマートフォン用のアプリです。アプリをダウンロードしアカウントを作成することで、乗車料金のチャージや利用履歴の確認などができます。事前にカードを購入する必要がなく、スマートフォンを改札機にかざすだけで地下鉄に乗車できるため、とても便利です。なお、TAPカードがあれば、アプリに利用残高などのデータを紐づけることもできます。アプリはiOS、Android共に無料でダウンロード可能です。
TAPアプリの利用方法
TAPアプリを利用するには、まずアプリをダウンロードしましょう。ダウンロード方法は以下の通りです。
アプリをダウンロード後は、必須項目を入力しアカウントを作成します。その後、クレジットカードなどの支払い情報を登録し、料金をチャージすれば完了です。
メトロレールの乗り方

1.目的地までの経路を検索

2.TAP カードに現金をチャージする

ただしTAPカードを購入・チャージする場合、操作にかかる時間や券売機の待ち時間を考慮しておく必要があります。地下鉄や電車に乗り遅れないよう、予めアプリをダウンロードしておくと便利です。アプリに料金をチャージしておけば、TAPカードがなくても乗車できます。
3.改札でTAPカードをタップして乗車

4.車内の安全性を確認
ロサンゼルスの地下鉄は、日本と比較すると治安が悪いと言われています。犯罪などの被害に遭わないよう、乗車後すぐに以下の項目を確認してください。
- 同じ車両に不審者がいないか確認
- 緊急時にすぐ脱出できるよう出口の確認
- 臭いを確認し、異臭がする場合は車両を移動
- 座席に座る前に、汚れやガムが付着していないか確認
特に夜遅い時間帯は注意が必要です。貴重品の管理を徹底し、鞄をしっかり抱えるなど防犯対策を怠らないようにしましょう。
5.降車して改札を出る

ロサンゼルスの地下鉄に関するよくある質問

地下鉄の治安は?
2025年現在、日本と比べてロサンゼルスの地下鉄は治安が悪いと言えるでしょう。低所得者層やホームレスも地下鉄を利用していることが、治安悪化の要因のひとつです。また、地下鉄のラインによっても治安は異なり、Bライン(レッドライン)とDライン(パープルライン)は特にホームレスが多く、各駅に警備官が配備されています。なお、駅構内には薬物中毒者も多く、不審者とは常に距離をとって行動する必要があります。
時刻表や路線図はどこで確認できる?

乗り換えなどに便利なアプリは?
地下鉄を利用する際には、上述した「Google Maps」や公式サイトの「Metro Trip Planner」のほかに、「Transit(トランジット)」アプリがおすすめです。目的地までのルート検索や運行状況の確認だけでなく、遅延情報の通知機能なども利用できます。さらに、目的地への到着時間をリアルタイムで調べることができ、乗り換えもサポートしてくれるため、非常に便利です。iOS端末の場合はこちらから、Android端末の場合はこちらからダウンロードできます。
忘れ物をしてしまった場合は?
車内に忘れ物をした場合は、まず最寄り駅のインフォメーションセンターに問い合わせましょう。もしくは、メトロレール公式サイト内の落とし物に関するページから紛失物の報告書を作成し、申請することも可能です。落とし物や忘れ物の保管期間は90日間のため、見つかった場合はその期間中に遺失物取扱所(Metro Lost & Found)へ取りに行く必要があります。このような事態を避けるためにも、所持品の管理には注意が必要です。
所在地:3571 Pasadena Av.
電話番号:323‐937‐8920
営業時間:午前9時~午後5時(月~土曜日)
定休日:日曜日、祝日
ホームや車内は飲食禁止?

ロサンゼルスの地下鉄以外の移動方法

メトロバス/Metro Bus

ダッシュバス/Dash Bus

ビッグブルーバス/BigBlueBus
ビッグブルーバス(BigBlueBus)は、サンタモニカエリアへの移動に便利なバスです。特にサンタモニカビーチやUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)へのアクセスが容易で、観光客だけでなく地元住民も利用しています。運賃は片道でTAPカードが1.10ドル、現金が1.25ドル。乗車時に支払います。なお、快速バス“Rapid 10 Express”に乗車すれば、サンタモニカからダウンタウンへ乗り換えなしで向かえます(※追加料金が必要)。なお、公式ウェブサイトではルートや時刻表だけでなく、リアルタイムのバスの位置情報の確認が可能です。
アメリカ渡航・入国にはESTA(エスタ)が必要です
日本国籍者がビザを取得せずにハワイを含むアメリカへ渡航する際は、ESTA(エスタ)の申請が必要です。ESTA(エスタ)はVWP(ビザ免除プログラム)参加国の市民のみ利用できる制度で、観光または出張目的で90日以内の米国滞在を希望する方が対象となります。また、ESTA(エスタ)は年齢を問わず必要となるため、家族やグループで渡航する際は事前に全員分の申請を済ませましょう。ESTA(エスタ)を統括するDHS(アメリカ国土安全保障省)は、少なくとも出発72時間前までに申請手続きを済ませて「渡航認証許可」を取得するよう推奨しています。